今、話題の本である「商店街はなぜ滅びるのか」を読んでいます。
この本は、社会学者である新雅史氏の著書です。この本が話題になっているのは、定説だった「商店街は昔からあるものでなく、昭和初頭に形成された新しいもの」ということを論じている点です。
昭和初頭の農村からの労働者の受け皿として商店街が形成されてきたものであると記載しています。その商店街が、戦後に自由民主党の支持基盤となり、商店街振興組合法による補助金や、大規模小売店舗法による大型店出店規制に守られてきたのですが、バブル崩壊後の規制緩和で衰退の一途をたどっていると著者は論じています。
さて、その商店街の復活ですが、地域社会が商店街を運営していくことを提案しています。高齢化社会の進展による買物弱者の増加などを背景とした主張なのでしょう。
しかし、買物弱者に対する社会政策的な動向はともかく、買物の魅力を商店街が提供できなければ復活は難しいのではないでしょうか。著者の復活論には、かつての「コミュニティマート構想」を思い出しましたが、今の若者に「コミュニティーマート」が受けいられるか疑問です。中高年には受け入れられるかもしれませんが、その人たちは、年々減少していく年代です。それでは将来がないのではないでしょうか。