TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

今問題になっている「食の安全」に思う

2007-10-31 22:26:47 | 経営全般
 次々と明るみになる有名食品の賞味期限改ざん等の問題に思うところを書きます。

 きょうは、三重県伊勢市の老齢和菓子「御福餅本家」が、製造日の偽造や原材料の不適切な表示をしていたことが新聞記事になっていました。今年になって、チョコレート「白い恋人」の製造メーカー石屋製菓が賞味期限改ざんが判明、10月になり伊勢神宮伊勢名物の赤福が製造日と賞味期限改ざんをしていたことが判明しました。「白い恋人」は北海道旅行にお土産としてたいへん有名です。赤福もお土産品として有名な和菓子です。
 
 とりわけ、赤福は伊勢神宮内宮の門前町「おかげ横丁」を企画運営している企業です。「おかげ横丁」は約2700坪の敷地内に、江戸から明治にかけての伊勢路の代表的な移築・再建され、飲食店や物販店、美術館や資料館がそろっています。私も平成6年だったと記憶していますが、伊勢神宮とこのおかげ横丁を訪問しました。赤福ブランドは人気があり、店の前にあふれる客がいたのを覚えています。
 このときは商業施設見学ということで「おかげ横丁」を訪問したのですが、三重県の老舗の味、名産品、歴史、風習、人情まで一度に体感できる観光地テーマパークとしても魅力を感じました。このテーマパークを造った赤福はスケールの大きな企業だと思いました。広告宣伝もはんぱでなく、バスで伊勢神宮に行ったのですが、周辺のすべての電柱にといっても過言でないくらい赤福の看板がかかっていたことを記憶しています。

 あの赤福がと、「食の安全」違反が新聞に載ったときに私は思いました。あれほど知名度があった赤福でも、「食の安全」の信用がなくなると、たちまち営業停止になってしまいます。現在は食品を取り扱う企業にとって、安全ということが大前提となっています。食品を扱う企業を企業訪問した経験があるのですが、すべての企業が「食の安全」にたいへんな注意をはらっていました。ヨーグルト配送物流業者は配送中のトッラク内での商品温度管理ができるシステムを導入して商品安全管理を実施していました。青果卸売業者は積極的にトレサービリティを導入していました。また、農業法人をつくり無農薬野菜を生産する試みもしていました。

 消費者も「食の安全」にたいへん敏感になっています。企業からの内部告発等があるとすぐにマスコミに取り上げられ、企業にとって致命的になっってしまいます。そのため、企業側もたいへん「食の安全」には敏感になっています。
 もちろん、法を違反するのは問題です。企業の倫理感が低いのも問題です。しかし、私は判然としないものがあります。賞味期限切れでも食べられないわけではない食品もあるのでないかと、食品知識のない私は思ってしまう時もあります。私の家の近くの野菜農家は農薬をふんだんに撒いてまがったキューリは売り物にならず廃棄しています。コンビニの日販品は一日3回配送で、賞味期限切れはまだ食べられるのに廃棄処分にされると聞きます。釈然としません。

 「食の安全」に私達は敏感になっている一方で、「食物を大切にする」視点が薄らいでいるのではないでしょうか。飢餓で苦しんでいる子供たちが数多くいる現実を考えると、「食の安全」とともに「食物を大切にする」ことを私達は真剣に考えていかなくてなならないのではないでしょうか。