TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

講演会「美しい地球を子供たちに」を聴講

2007-10-05 23:50:02 | 経営全般
 法人学校主催の講演会「美しい地球を子供たちに」を聴講してきました。

 NPO法人ネットワーク「地球村」代表の高木善之氏の講演「美しい地球を子供たちに」を聴講してきました。内容は環境問題に関するものでした。私は、正直いって今までは環境問題にあまり関心がなかったのですが、いろいろ考えさせられる講演でした。そのいくつかを思うままに書いてみたいと思います。

1 食糧自給率(28%)になってしまった日本に未来はない          アメリカの食糧自給率は119%、EU109%、中国100%であるが、日本は28%と極端に低い数値である。人が生きていくために必要なのは「食べ物」と「水」である。自動車やテレビではない。この事実をきちんと日本人は認識していないのは大問題である。第1次産業をおろそかにしてきた「つけ」が低自給率の現実を生んでしまった。地球温暖化しており、世界的な食糧不作になった場合に日本は真っ先に破滅の道を歩むことになる。

2 日本の政策は、命の基盤を捨てて経済的豊かさを求めたものだった
 高度経済成長時代の日本の政策は、命の基盤となる農業をおろそかにして、工業立国を目指したものであった。工業化は、低価格の原料を輸入して、高価格の製品にして輸出すのもので、経済的豊かさを国民にもたらした。一方、農業は年々衰退してしまい、農業従事者は数%となり後継者不足で高齢化してしまった。
 
3 ものごとはトータルで考えなくてはならない
 電気自動車はCO2を排出しないので環境にやさしいというのはまやかしである。なぜならば、電気を起こすのに大量の石油を燃やさなければならない。バッテーリーはリサイクルできない。トータルで考えれば決して環境にやさしくない。

4 寝たきりの人に生きる権利があるのか
 アマゾンやアフリカでは「ほんとうに生きることができる人」しか生きることができない現実がある。アフリカでは1ヶ月千円あれば1家族が生きていける。一方で、日本では寝たきりの老人に対して35万円の介護保険手当が支給される。世界を見渡すと飢餓で毎日多くの子供が死んでいく現実があり、福祉とは、看護とはいったいなんなのかと考えさせられる。
 
5 地球環境を守るためには発想の転換が必要
 発想の転換は、①お金→命、②経済→環境、③目先→未来、④便利・快適→子供たちである。豊かさを求めてきた経済から命を大事にする環境に軸を変えいかなくては未来はない。子供たちに美しい地球を残したいものである。

 
 日本の歩んできた工業化を肯定にとらえるか、否定的にとらえるか難しい点である。しかし、農業をおろそかにしてきたことは事実であり、日本の農業政策が今日の壊滅的な農業の現実を生んでしまったことは事実だと私も納得した。
 ビジネスとしての「環境の話」でなかったのが新鮮で魅力的であった。