TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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中小企業の経営革新計画に思う

2007-10-26 07:44:33 | 地域産業
 私が関わった中小企業の経営革新計画について思うところを書きます。
 
 ここでいう中小企業の経営革新計画とは、中小企業支援施策の制度上のものです。この制度は、中小企業が新しい事業を始めるなどの経営革新に取り組む場合、所定様式の「経営革新計画」を作成すると融資、税制などの支援策が受けられるものです。
 経営革新計画は、①新商品の開発又は生産、②新役務の開発又は提供、③商品の新たな生産又は販売方式の導入、④役務の新たな提供の方式の導入その他新たな事業活動の4事業活動のどれかに該当することが求められます。また、「付加価値額」又は「一人当たりの付加価値額」の伸び率と「経常利益」の伸び率の一定以上の数値目標が求められます。

 私は2年間にこの経営革新計画の承認事務を担当しました。その時に思ったことを書きます。

1 申請企業の経営者はほんとうに事業意欲のある方々であった
 経営革新計画の申請企業の経営者とヒアリングを行うのであるが、皆さんすべてが事業意欲のある活力に溢れる方々でした。美容室と生活雑貨店を展開しようという若手経営者、新しいスタイルの外食業態を開発しようという急成長企業の経営者、新しいサービスで新規顧客を開拓しようという女性経営者、ほんとうにヒアリングをしていて楽しかったです。経営者が事業の夢を語るのを聞くのはその活力を分けてもらうような気分になりました。自分の好きなことをやれるのはすばらしいことだなあと思いました。しかし、事業を継続するにはたいへんな苦労もされているでしょう。その迫力と活力が私にはたいへん魅力でした。

2 おおばけするような事業があった
 申請し、承認を受けた企業の計画にはおおばけするようなおもしろいものがありました。OA機器、文具小売業が「コンビニOAリサイクルショップ」を店舗展開する計画を承認しました。ノウハウの保有などを考えると面白い事業展開ではないかと思いました。この計画は実施され、今では順調に売上を伸ばしていると聞きます。
 また、幼児能力開発教室の経営者が、大人向けの能力開発教室の事業展開を計画したのも面白いと思いました。ノウハウは持ってますし、投資採算も充分考えた経営計画でした。しかし、今のところ実際に事業展開したと聞いてませんが。

3 経営戦略策定フローが経営革新計画の審査、承認に役立った
 企業理念→環境分析→(自社の事業領域)→顧客ターゲット→マーケティング戦略ということを念頭に入れ、経営革新計画の申請書を読むと、この企業はどのような戦略を考えているのかが把握でき、ほんとうに勉強になったケース・スタディでした。中小企業診断士資格取得で勉強したことが役立ちました。

 この経営革新計画を申請するということは中小企業にとって、自社を取り巻く環境を考え、自社の経営資源を見直し、数値目標のある経営計画を作成するのであるから「自社の姿そして将来」を見つめなおすいい機会になると思います。

 地域経済活性化のため、多くに中小企業が経営革新計画を作成して、申請してもらいたいものです。


http://www.pref.gunma.jp/cts/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=28094
 ↑ 群馬県庁HPの経営革新計画の紹介 

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/index.html
 ↑ 中小企業庁HPの経営革新計画の紹介