TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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工業立地動向に思う

2007-10-04 23:51:49 | 地域産業
 景気回復のため、工業立地が活発化していることに思うことを書きます。

 今日の新聞に、東洋水産が即席めんの最大拠点を館林市に新設する記事が掲載されていました。わが県への工業立地が活発化しています。平成18年工業立地動向調査では、わが群馬県は立地件数では全国2位、立地面積では全国3位でした。
立地件数は平成15年の53件から平成18年度には111件と倍増しています。平成18年は立地面積が124.1haで100haを超えるのは平成12年以来6年ぶりということです。景気回復が本格化してきたことがうかがえる数値ではないでしょうか。

 私の住む市には13の工業団地があります。唯一、分譲地があるのが三和工業団地です。3年前までは、この工業団地は未分譲地がかなりありましたが、次々に進出企業が決まり、未分譲は、3区画となっているとのことです。その内、2区画は敷地面積が広くまだ進出企業が決まっていないと市関係者から聞きました。
 三和工業団地にも当てはまることですが、群馬県の工業団地は、都心から近く、高速道路などの幹線道路が整備されており、地震などの災害も少ないため、企業にとっては魅力があるようです。工業理立地動向調査で群馬県が上位になるのは、群馬県の好立地環境が影響していると思われます。

 私は、仕事で伊勢崎の企業に訪問して現状等を聞いた経験があります。三和工業団地に進出したいくつかの企業も訪問しました。ある企業は、住宅地に立地しており、工場が分断されているような状況でいかにも手狭という印象を受けました。独自技術を保有しており、大手取引先が確保でき業績がぐんぐん伸びており、工業団地(三和工業団地)に進出すると経営者は話していました。           それから、ここ数年の三和工業団地に進出している企業は、開発型企業が多いのはないでしょうか。三和工業団地は分譲地を分筆して中小企業が進出しやすくなったために、ここ数年で分譲が進んだようです。残っている広い未分譲地に大企業が進出してくれれば伊勢崎の産業もより活性化するのではないでしょうか。

 中小企業の工業団地進出といえば、かつて数十社の中小企業が協同組合を作り、高度化融資を受けて実施したものだったようです。中小企業が大企業と対抗するためには、共同化がキーワードだった時代でした。今は、中小企業でも独自技術や独自製品を保有していれば、自社が主導権を握って成長できます。三和工業団地に進出している企業は、それぞれが単独で力を持っている企業であると私が企業訪問した時の印象でした。
 数字が多い調査データも、その現場の実情を少しでも知っていると、興味深く考えさせられるものです。