TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

郊外大型店間の競争激化は私たちになにをもたらすのか

2007-10-09 21:37:43 | 地域産業
 私の住む群馬県は、郊外型大型ショッピングセンターの進出がここ数年著しく、地域商業環境が様変わりしています。この環境変化のついて思うことを書きます。

 平成15年12月、太田市にイオン大田ショッピングセンター(延床面積95,969平方メートル、駐車場4,200台)が開店。平成18年10月、高崎市にイオン高崎ショッピングセンター(延床面積99,929平方メートル、駐車場3,300台)が開店。平成19年3月、前橋市にユニー社のショッピングモールであるけやきウォーク(延床面積98,056平方メートル、駐車場3,300台)が開店。来年秋には伊勢崎市に伊勢崎東部ショッピングモール(仮称・延床98,800平方メートル)が開店予定です。私は、イオンモール大田、イオンモール高崎(両店とも運営会社が合併により名称変更)、けやきウォークに出かけた経験があります。けやきウォークは9月30日に出かけたのですが、オープンして半年もすぎたのに大変な混雑でやっと駐車場が見つかったくらいでした。いずれのショッピングモールも一つの街が形成されているという印象を持ちました。買物好きの人ならば一日いても飽きないのではないでしょうか。

 今日の上毛新聞の記事に、「イオン高崎1年」という記事がありました。イオン高崎・ゼネラルマネージャーへのインタービュー記事でした。その中でこれぞショッピングセンターと思った部分があります。それは、開店1年たち、課題が見えてきたという箇所です。マネージャーはSC全体の中で欠落している業種が見えてきた、具体的にはスポーツ関連商品を扱う店、実用品を扱う小型のホームセンターのような店と話しています。専門店(約170店舗)の品揃えも顧客ニーズと微妙にずれている部分もわかった、専門店と話し合いながら改善していくと話してします。私はここがディベロッパーの計画のもとで開店するSCの強みであると思います。SCの魅力を高めるため、業種の追加も入れ替えもできるのです。消費者ニーズに合わせて「テナントミックス」を環境変化に対応して計画的に実施することができる強みを持っているのです。

 一方、商店街の店は、街路に沿って自然発生的に形成されたものです。個々の店が自分の思うように経営しているので、集積の強みは、魅力的な店が数多く存在しない限り生まれません。ある商店街の理事長さんが、商店街が活性化する方策として同業種の店が数多く集積して競いあう商店街が形成されるとことだと話したことを記憶しています。たとえば、神田の古本屋街や横浜の中華街が典型的な例なのでしょう。地方都市ではかなり夢物語かも知れません。いずれにしろ、中小の個店は今後も一層の苦戦を強いられそうです。いやもう、中心市街地の商店街と郊外型SCの勝負はとっくについてしまっているようです。

 今後も、次々と郊外型SCが開店するのでしょう。結果は競争にやぶれたSCの撤退がでてくるではないでしょうか。計画的にSCはつくるわけですから、交通網の変化に対応した立地移転もビジネスライクになされます。
              
 SCに買い物に行く私たちは、利便性を手に入れる代わりに浮き草のような買物をしつづけるようになるのでしょうか。