TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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平成18年工業統計調査速報発表される

2007-10-11 23:50:16 | 地域産業
 景気回復が顕著になったことを示す18年工業統計調査速報に思うことを書きます。

 10日に発表された18年工業統計速報によると、全国数値では製造品出荷額が3百6兆2千6百億円で6.9%増になり、4年連続の増加となりました。新聞では自動車など輸送用機械や原油、原材料価格の上昇で非鉄金属や石油製品が伸び、全体を押し上げたと分析しています。従業員数も2.3%増の7,473,379人と平成3年以来プラスとなりました。経済産業省は「企業の生産活動拡大の反映」とみているようです。事業所も136,754ケ所と2.3%の5年ぶりの増加、従業員1人当たりの付加価値額も1.6%増の13,820千円となり過去最高だそうです。

 群馬県のデータも発表されています。製造品出荷額は7兆7千4百40億円で4年連続で増加しています。県の主力産業である輸送用機械器具製造業、電気機器製造業が順調に伸びたことが要因となっているようです。しかし、群馬県の場合は事業所数は6.6%減の6,403事業所となっています。従業員数は0.6%増の21万2,050人でした。

 私の住む伊勢崎市は、合併後の17年は製造品出荷額で県下2位になりました。18年も製造品出荷額で1兆962億円で太田市に次いで県下2位となっています。対前年比で3.0%増(323億円)となっています。事業所数は802事業所、従業員数は2万7,069人、付加価値額で4,028億円で、いずれも太田市に次ぐ2位に位置しています。                                 
 私は仕事で、16年4月から19年3月まで伊勢崎市、玉村町の製造業者を企業訪問していました。県企業支援施策のPRと地域企業の景況感把握のための企業訪問でした。従業員10人以上の企業を対象に訪問していたのですが、伊勢崎地区には元気のある企業が多いという印象を持ちました。業種的には輸送用機械器具製造業が好調でした。全般的に電気機器製造業はあまり景気がいいとの印象をもちませんでした。地域的には、旧東村の企業が元気がありました。㈱浅野、富士精螺㈱、群馬合金㈱、アイ・シー電子工業(株)、㈱セイコーレジン、㈱三泉、日本アクチュエーター㈱、㈱翔栄など売上高30億から100億近い企業が数多く存在します。自社製品がないが独自技術で他社と差別化して伸びている企業です。たとえば㈱翔栄はタッチパネルで他社と差別化した技術を持っています。富士精螺㈱はネジ製造で確固たる地位を確立しています。㈱浅野は輸送用機械器具の試作品で業界では知られた存在です。

 サンデン㈱という群馬県を代表する企業が存在しますが、伊勢崎市が統計数値で県下2位であるのは中堅企業で元気な企業が多いからではないか私は思います。それらの企業の必死な努力が製造品出荷額の総和となっているのではないでしょうか。私は企業訪問で個々の企業現場を見させていただいて個々の企業の努力の結果が統計数値として積み上げられるということをほんとうに実感しました。