『爆笑問題 死のサイズ』で太田光が「宮崎駿は人間否定だけれど、手塚治虫は人間肯定だ」と言っていた。
私もその通りだと思う。
手塚治虫も宮崎駿も自然の素晴らしさを謳う点では共通しているのだけれど、
宮崎駿の方は決定的に人間を否定している。
私は手塚治虫の考え方の方が好きだ。
確かに地球環境の為には人間など絶滅してしまった方が良い。
が、そういって人間を否定することは簡単で、
むしろ、そんな人間を肯定する方が実は大変なのだ。
私は本気で人間を滅ぼす気も無いくせに人間を否定する人よりも
人間の愚かさを自覚した上でその人間を肯定する方が魅力を感じる。
宮崎駿の作品を愉しみつつもどこか説教くさく感じることがあるのはそういう点だろう。
『となりのトトロ』はそういう気持ち抜きで純粋に楽しめるのだが、
『もののけ姫』はそれが全面に出ていてなんだか居心地が悪い。
駿の息子の『ゲド戦記』はまだ見ていないのだけどCMで「命を大切にしない奴なんか大嫌いだ!」と言う台詞を聴いてこの映画は見たくないなと思った。
いや、食わず嫌いと言われればそれまでだし、実際、愉しまれた方には申し訳ないが、この台詞は説教臭さの最たるものだと思う。
命を大切にしなければならないことは正論であろう。
が、私は命を大切にしない者よりも、命より価値あるものを認めない者の方が嫌いである。
私もその通りだと思う。
手塚治虫も宮崎駿も自然の素晴らしさを謳う点では共通しているのだけれど、
宮崎駿の方は決定的に人間を否定している。
私は手塚治虫の考え方の方が好きだ。
確かに地球環境の為には人間など絶滅してしまった方が良い。
が、そういって人間を否定することは簡単で、
むしろ、そんな人間を肯定する方が実は大変なのだ。
私は本気で人間を滅ぼす気も無いくせに人間を否定する人よりも
人間の愚かさを自覚した上でその人間を肯定する方が魅力を感じる。
宮崎駿の作品を愉しみつつもどこか説教くさく感じることがあるのはそういう点だろう。
『となりのトトロ』はそういう気持ち抜きで純粋に楽しめるのだが、
『もののけ姫』はそれが全面に出ていてなんだか居心地が悪い。
駿の息子の『ゲド戦記』はまだ見ていないのだけどCMで「命を大切にしない奴なんか大嫌いだ!」と言う台詞を聴いてこの映画は見たくないなと思った。
いや、食わず嫌いと言われればそれまでだし、実際、愉しまれた方には申し訳ないが、この台詞は説教臭さの最たるものだと思う。
命を大切にしなければならないことは正論であろう。
が、私は命を大切にしない者よりも、命より価値あるものを認めない者の方が嫌いである。
ふらふらしてて辿り着きました福田先生の一フアンです。
お若いのに立派な文章を書かれてをり感服致しました。僕も宮崎駿は嫌ひです。といふかジブリ的なアレが。
ゲド戦記のCMは笑つてしまひました。「命は大切」なるメツセージが人の心を打つには「命より大切な価値」に支へられねばならない、と云ふと如何にも福田恆存的な逆説ですが、さういつた人間的な矛盾に苦しむといふ事が思想の左右を問はず日本人は苦手なやうです。と自戒も込めつつ…
またお邪魔させて頂きます。
コメントありがたうございます。
最近、福田先生のフアンの方がよくいらしてくださり、嬉しい限りです。
>「命は大切」なるメツセージが人の心を打つには「命より大切な価値」に支へられねばならない
きつと福田先生も同じやうなことを云はれると思ひます。
どうも、最近はジブリに限らず映画でもテレビドラマでも「ジブリ的」なものが氾濫してゐるやうに思ひます。
「人間的な矛盾に苦しむ」といふ深い内容の作品にとんと出逢つたことがありません。
>またお邪魔させて頂きます。
ありがたうございます。
ぞうぞ、またお越しください。