蚕 起 食 桑
5/21~5/25
草むらの中からジーッと夏虫も鳴き始め、いつもと違う素晴らしい
鳥のさえずりに気づくとき、とても幸せな気持ちになります。
身も心も軽やかになっていく、夏の始まり初夏です。
寝静まった夜、蚕が桑をはむ音は荘厳である。家全体に響くように聞こえてきた。
8万~10万頭が1度に飼育され、蚕と一緒に暮らした。
まさに「お蚕様」でした。
太陽の光を浴びて、どんどん育っていく桑の葉を、もりもり食べて
お蚕さまが育ってい「蚕起食桑」の頃。
養蚕業の方々にとって一番忙しい時ではないでしょうか。
養蚕業の衰退は激しく、現在秩父地方で見かけるのは珍しい。
お蚕さまの繭からとれた絹の糸で、美しい光沢を放つ反物が作られます。
絹の糸で織り上げられた布や帯の美しさは、古来より人々を魅了していました。
皇后さまが最後の給桑 (皇室)
秩父地方の「お蚕様」
参 考
長い養蚕の歴史を持ち、戦前には絹は主要な輸出品であり、合成繊維が開発
されるまで日本の近代化を支えた。
農家にとって貴重な現金収入源であり、わが秩父地方では、
「おカイコ様」といった半ば神聖視した。
養蚕の神様(お蚕神様)に順調な生育を祈る文化も見られた。
小正月に繭玉の格好を作り行事が各家庭で盛大に行われた。
長野・山梨・埼玉・群馬の山間地は、殊の外養蚕業が盛んでした。
小生もこの繭の現金収入によって育てられたと言っても過言ではない。
唯一の現金収入源でした。蚕の飼育時は、朝早くから夜遅くまで働いた。
蚕は、4回眠りに付き、その度に脱皮して繭になります。
繭➡蛹➡羽化➡産卵➡義蚕と繰り返します。