雨曇子日記

エイティライフの数々です

「明けゆくや・・・」総願寺芭蕉句碑

2018-01-10 19:49:20 | 俳句修行

玉嶹山(ぎょくとうざん)不動院総願寺には、加須市の文化財指定の芭蕉句碑がある。

 

 

それがどこにあるか分からないので、参詣人やお札を売るテントの人などに聞き、最後に社務所のお坊さんに聞いたら寺の裏庭にあることが分かった。

お坊さんは親切に、句の意味まで教えてくれた。

 

 

                  明けゆくや二十七夜も三日の月

 

この句は、ほのぼのと白みかけた暁の空に旧暦27日の月(月齢 26 )を見た。その眉のような月は、形も趣もまるで三日の月(月齢 2 )と同じように見えるなあと、月のあわれぶかさを詠んだのである。

この句には「ある所に旅立ちて、舟の中に一夜を明かし下弦の月のあはれなる暁、蓬より頭出して」と詞書(ことばがき)があり、貞享三年秋の作とのこと。

江戸時代になると、関東地方は舟運が相当発達して、利根川のような大河の付近では舟を利用しての旅が容易だったようだ。

 

この碑には、天保 14 年( 1843 )の銘があり、近在の俳人が芭蕉没後 150 年の追悼供養として建立した。

「明けゆくや」は三行に分けた真ん中に書かれている。

27 夜というところは七を二つ重ねて、七七と書いている。

 

多くの芭蕉の句の中からこの句を選んだのは、この地が利根川の近くにあって舟旅が容易であることと無関係ではないだろう。

 

 

 

 

 


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