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日米を問わず名選手を紹介。

村山実(6)

2011-12-27 21:12:26 | Weblog
村山実の奪三振率は、入団1,2年目が素晴らしく、特に1年目は295.1イニングで294個とほぼ1イニングに1個の割合で、当時の投手としては物凄い奪三振率です。その後防御率1点台の年も含め、素晴らしい成績を挙げた年も多くあるのですが、奪三振率が1試合平均7個を超える事はありませんでした。多くの速球投手は奪三振率の高い時期、つまり若くて球の速い時期に自己ベストの成績を挙げています。逆の言い方をすれば、球速の衰えが奪三振率の下落に繋がり、ひいては成績の落ち込みになっています。梶本隆夫、米田哲也、稲尾和久、杉浦忠、権藤博、江夏豊等はこの例に当てはまるかと思います。しかし村山実は奪三振率が落ちても、成績に影響はありませんでした。と言うよりも奪三振率と成績が関係ない稀な速球投手と言えるのでしょう。彼にとってのキャリアハイは25勝14敗、防御率1.20、265奪三振の昭和37年かと思いますが、この年の奪三振率も6.51とあまり高いものではありませんでした。今年田中将大投手の項で、デビュー時より奪三振率が昨年まで落ち込みかけており、凄く将来が気になっていたと書きましたが、幸いにも彼は奪三振率、成績双方を大幅にアップさせました。しかし奪三振率が上がらなくとも、好成績を挙げ続ける事の出来たのが村山実投手と言えるのでしょう。