トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

尾羽打ち枯らし

2015-08-06 | 感じるままの回り道
 アザミの花に止まったまま動こうとしない。翅の傷みが激しくて生き抜いてきた厳しさを全身で表している。すでに飛翔する元気もないようで捕食されるか花から落ちるかのどちらかなのだろう。蝶もトンボも生き抜いてきた日数を体現しているかのような個体は目にするが、ここまで痛んだのは珍しい。これまでになる前に、おおかた食物連鎖の中に組み込まれているはずだ。ともかく「ご苦労様、よく生きた!」としか言えない。
 今日は多くの人々が塵と消え果た「広島原爆忌」、「良く生きていた」人々も多かったに違いないが「良く生きた!」とはとても思えない。かろうじて生き延びた人々は「良く生きた!」と思うけれど、それぞれの人生は凄惨だったに違いない。尾羽打ち枯らしかろうじて命脈を保っている野生生物には、自ら凄惨な現実を生み出す事はないだけに生存競争の只中にあってなお「良く生きている」事は間違いなかろう。
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