トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

連日の強制排砂

2024-08-10 | 水辺環境の保全

 大雨出水による送水管内の排砂でも無ければ立て続けに強制排砂など行わないので今回のように連日の強制排砂は異例中の異例である。それは前日の排砂作業を行った後、吐水量を計測に行ったのだが水色は濁りがあるし黄土色の浮遊物も混入している状態で「菅内壁に水垢が厚く付着している!」を想像させたからである。回復水量の正しい数値は翌日にならないと反映されないのは承知なのだが「再度の強制送水による内壁洗浄」が必要だと判断したのだ。水垢でポンプに負荷がかかっていると考えると理屈も通るからである。

 さて翌日は1時間ほど早めに出立した。この時間だと沢内に日射は入らず立ち入っただけで冷気が身体を包んでくれて気持ちは良いのだったが行う工程は増やしたのだった。まずは沢入り口で中間地点になる排砂バルブを開放しておく。これでポンプで圧送すれば管路の半分だけなので送水圧力を上げる事が出来て結果的に管内の清掃が速やかに進むはずだ。

 現場でいつも通りポンプをセットし稼働させる。エンジン出力を僅かに上げ送水管内に差し込んだ注入ホースが押し戻されないギリギリのところで10分ほど送水して送水管路の下り半分の清掃を終わりとした。エンジンをアイドリング状態に戻し徒歩で沢入り口の排砂バルブまで行きバルブをゆっくりと閉じた。ゆっくり閉じないとウオーターハンマー現象で水を注入しているホースが抜け出してしまうからだ。バルブを閉じれば水流は吐出口へ向かう。ここから送水管の残り半分の清掃開始である。

 取水地まで戻りエンジン出力をホースが抜け出ない圧力まで高めて更に10分の送水で終了させた。隣り沢の吐水口で排出される水色など知る由も無いので全ては「これでいいだろう⁉」の正常性バイアスによる判断である。機材を車載してフイールドまで戻り機材一式は道具小屋に収納した。吐水量の正確な反映値は翌日にならないと判らないのでこの日はそのまま帰宅。これだけで下着まで汗みどろになる。何と言っても朝食時の気温は既に30℃を示し作業開始時は32℃になっている今日この頃であるから仕方がない。

 沢に入っての慰めは近くを往復しているオニヤンマの姿を見る事だった。それに加えて上流部の沢止め工を施した場所の底抜け部を「どう回復させようか⁉」と眺めていた折りにカエルを見つけたのだ。タゴガエルかニホンアカガエルのどっちかなのだけれどどっちつかずの体色で判断がつき難い。それでもフイールドではニホンアカガエルが増えた事もあって「こっちの沢筋にまで生息範囲を広げたか…」と考える方が幸せなのである。まあ、誰もやらない作業をしていれば誰も目にしない風景はあるのだった。これが「慰めの報酬」。

     

※ 翌朝、吐水量測定をしたら22ℓ/分だった。願わくば26ℓ/分程度を期待していたのだが努力が報われるとは限らないのが人生である。とりあえずは安全圏内だ。


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