トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

オオカダナモの抜去

2024-06-14 | 水辺環境の保全

 入域して来る理由は様々だろうが中には怪しからん輩は必ず存在する。盗掘者の存在は何処でも常習常識であるけれど盗掘ではないXmasではあるまいしプレゼントをこっそり置いて行く不届き者も存在する。こういう輩は一桁台であろうが散々苦労す、いいえ散々苦労させられる輩なのである。過去にはウシガエルを放たれ、鳴き声を頼りに確認できただけでも6匹数える事が出来たが雨水だけの三日月池はポンプ排水して防鳥網を泥土に被せ呼吸困難で網に絡まった処を3匹捕獲処理したものの上の池は大きくてこの技が使えない。産卵されたら万事休すと危惧していたけれど冬季にイノシシに喰われたのか翌春には姿を現さずホッとしたのだった。この時ばかりは「ありがたやイノシシ様大明神」と拝みたてまつったのだった。

 さて今回抜去作業する羽目になったオオカナダモも不届き者が投入していった結果だ。例年片手では済まない回数の抜去作業を行っているが発生は続いていて、今期も第一回めの抜去作業である。実のところ昨季の晩秋、水鳥が飛来して抜去を予定していたのに食料としてくれた事で「根こそぎ食べてくれていれば来季の発生は無いだろう」と何時もの正常性バイアスによる切望的観測をしていたものの甘かった。昨季よりも更に出現範囲は広がってしまった。水中の茎は切れやすく直ぐに浮遊拡散するし根はエナメル線みたいに細くて丈夫で、まるで蛸の八ちゃん、イカの十チャンの如くしぶとく泥土にしがみついているのだから茎だけ引いても根は残ってしまう。それがオオカナダモの生存戦略でもあろう。

 そこで貝掘り熊手を泥土に差し込み根株ごとユサユサ揺らし泥土を分離させて根茎を回収する作業となる。今回、回収した植物体を観察すれば挿し芽したように茎の破断面から根を出している株がほとんどなので千切れ沈殿した場所で発根したのはほぼ間違いないだろう。だからこそ丁寧に切断しない様に回収するのだが胴長の脚は膝近くまで泥土の中で、竹の杖を頼りにしても思わず沈寸前までの危ない状態が何回かあった。泥に脚を捕られオットットとなるのは注意をしていても避けにくい。

 堆積が進めば水深が浅くなるのは道理で、その進行に従い魚類は生息し難くなる。そうなるとカワセミの採餌場所としての機能は消失してしまう。既に池の周囲で泥上げして済むレベルではなくなってまあ、永田も霞が堰も汚泥と言うのは堪る一方なのであろうが自浄努力は期待できずオオカナダモみたいなモンが繁殖するには天国であるまいか、あるまだこ。


この記事についてブログを書く
« 今日のトンボ「テネラルは更... | トップ | ミズアオイかも⁉、だと良いけど… »
最新の画像もっと見る

水辺環境の保全」カテゴリの最新記事