トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

寒採りリンゴ

2019-01-31 | 何よりの楽しみ
 冬の寒さに合わせ甘味を増させる野菜類の貯蔵方法があるが、少年時代に山の斜面に穿った芋穴に貯蔵したサツマイモの美味しさは格別だった。当時から雪中栽培されたブランドの菜っ葉があったけれど、商品化されたさきがけではないかと思っている。

 そんなことを頭の隅っこに置きながら庭のリンゴ「ふじ」を収穫しないまま3個残しておいたのだが、裸のままのリンゴは寒入りしてから急速に萎びてきたから袋掛けした3個を収穫した。これ以上、樹上に晒しても傷むだけだろうとの判断である。
 袋を外した表皮は汚れていておいしそうには見えない。何時もの事だけれど摘果もいい加減、袋かけも時期を逸したり肥料もやらずの「捨て作り」であるがゆえの汚れでもある。

 「どれほど美味しくなっているだろうか…」と期待半分、一方では「野菜とは異なるから期待は的外れ」の思いも半分だけれど、喰ってみなけりゃ分からない。
 半分にした果肉に痛みや異常やは見られなかった。袋が掛っていたせいか多少は外皮に水分不足の徴候はあったけれど果肉の傷みは無かった。

 食感はさすがに「ジューシー」とは言い難いものの歯切れは悪くなく味も甘味は強くないけれど濃厚な味わいになっている。念のために糖度を測ったら17度だった。この樹が生産するリンゴの普通の糖度が不明だから比較の仕様もないものの「濃厚感は味わえたが敢えて樹上に置く必要はなし」が結論だ。
 まあ、インスタントで美味しいものは簡単に入手できる時代になった昨今、時間を掛け熟成させる食べ物には飽きが来ない美味しさがある。一方、時間をかけ成熟を重ねてきたおいらはどうかというと、食べてもらった事は無いし熟成と成熟とは異なるから不明で、まして老熟では品評会の不適格等外品…。

 ➡  ➡  ➡  糖度