人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウィーン・フィル「ニューイヤー・コンサート」を観る~マリス・ヤンソンスの指揮で

2012年01月02日 08時42分47秒 | 日記

2日(月).昨日はいつもより遅く起きて,お雑煮とおせち料理をいただきました それから,1階の郵便受けに行き朝刊を取ってきました.朝日新聞116ページ,日本経済新聞102ページです.いつもながら元旦号はボリュームがあります 端から端まで読むわけではありませんが,読むのに結構時間がかかります.まだまだ紙の新聞が続くと信じていいのでしょうか?

 

             

 

午後,ベットに横になってホロヴィッツの演奏するショパンやラフマニノフのCDを聴きながら樋口有介「楽園」を読んでいると,2時半少し前に大きな揺れが さっそくテレビを点けると東京は震度4とのこと.久しぶりの大揺れでビックリしました 数十分後,当ビル防災センターのI隊員から「震度4の地震があったので,館内を循環して被害状況を確認したが,テナント2件で出勤していたものの,被害はなく,建物にも異常がなかった」と報告がありました.元旦にも出勤しているテナントさんも大変だと思いますが,年末も年始もなく家族を家に残して交替で勤務している防災センター隊員諸君は本当にご苦労なことだと思います.とても感謝しています 幸いこの地震は大きな津波がなかったとのことで,それだけでも救いでした

 

             

             〔ホロヴィッツ・オン・テレヴィジョン〕

 

  閑話休題  

 

夜7時からNHK・Eテレでウィーンフィル・ニューイヤー・コンサートを観ました 最初に何人かのゲストが出ていてトークがあり,思い出のニューイヤー・コンサートとして,カルロス・クライバーがシュトラウスの「雷鳴と電光」を指揮するシーンが映し出されました.この指揮姿を観て,バイエルン国立歌劇場管弦楽団と来日し,アンコール曲としてこの曲を振ったときの感激を思い出しました.華麗のひと言です

今年の指揮者はロシアのマリス・ヤンソンス.ニューイヤー・コンサートを振るのは今回が2回目とのこと.オーケストラは,コントラバスが中央後列に横一列に並ぶ配置をとります.舞台後方左右は客席になっています.こういうのはとても珍しいと思いますが,あそこはA席なのか,B席なのか,C席なのか,どんなランクの席なのでしょう?いつも気になります 

オーケストラを見てもう一つ気が付いたのは,ハープを除いて全員男性であることです.最近は女性の演奏家もウィーンフィルで活躍しているはずですが,ニューイヤー・コンサートだけは特別なのでしょうか コンサートマスターはキュッヒルではなく,ライナー・ホーネックです

最初の曲を聴いてビックリしました.いきなりラデツキー行進曲が始まったからです この曲はこのコンサートを締めくくる曲のはず.と思っていると,別のメロディーが出てきました何とシュトラウス親子の合作による行進曲だということでした.トリッチ・トラッチ・ポルカではウィーン少年合唱団が正面2階バルコニーに登場し澄んだ歌声を聴かせてくれました このコンサートには1998年以来14年ぶりの出演とのことです.蛇足ですが,この合唱団にはシューベルトも所属していました.

解説によるとシュトラウス一家のワルツやポルカは数百曲あるので,まだウィーン・フィルが一度も演奏したことのない曲が多くあるとのことでした.今回は3曲がウィーン・フィルが初めて演奏することになったとのことです

休憩時間にゲストのトークがあり,そのうちの一人がウィーン・フィル特有の音の魅力について「ひと言でいえば”ホモゲーン”だ」と語っていました ホモゲーンとは”均一な”という意味とのこと.どんな指揮者が指揮をしても,ウィーン・フィルの音色は変わらない,ということです.その理由の1つとして,楽器の作りが他のオーケストラとは違うということをホルンとオーボエを例にとって解説していました.ホルンはバルブ(ピストン)が違い,オーボエは長さ(ウィーンの方が短い)や形が違うとのことです

ゲストのN響の首席オーボエ・茂木大輔が,いつも吹いているオーボエとウィーン・フィルが使用しているオーボエを吹き分けて,シュトラウスの「こうもり」序曲の中から憂いに満ちたメロディーを演奏しました ウィーンの方が柔らかく澄んだ音色のように感じました.演奏後,茂木は「ウィーンの方が弦楽器とよく解け合って響くように思う」「ただし,ヨハン・シュトラウス達が活躍していた頃までの曲を演奏するのには威力を発揮するが,それ以降,コンサート会場が巨大化して,例えばストラヴィンスキーなど,複雑な音楽を演奏するのには,楽器の方が追いついていけないところがある」と語っていたのには納得させられました

ヨーゼフ・シュトラウスの「鍛冶屋のポルカ」では,ヤンソンスが両手にハンマーを持って指揮をしながら「キンコン,カンコン」と叩いて演奏し,観衆の盛んな拍手を受けていました ヤンソンスにはこういう茶目っ気があります

ヤンソンスらしい選曲だったのはチャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」から「パノラマ」と「ワルツ」を演奏したことです.「パノラマ」ではタクトを置いて,両手で美しいメロディーを紡ぎだし,ワルツでは再びタクトを取って華麗なワルツを演奏しました

今回の放送を観て初めて気が付いたのは,優れたカメラワークです.とくに3階席あたりから2階席や1階の舞台を撮り降ろすのですが,”いったいどうやって撮ったのか”と感嘆します.単にクローズアップするだけでなく,カメラ自体が動きながら撮影しないとああいった映像は撮れないのではないかと思われます

かつて,カラヤンが来日した際に,日本のコンサートの撮影技術の素晴らしさに感嘆し,そのノウハウを自身の演奏の記録に生かしたと言われていますが,現在は,われわれがオーストリアの撮影技術の素晴らしさに感嘆する時代になったのでしょうか

いつの日か,あのウィーン楽友協会大ホールでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを聴くのが当面の夢です

 

              

              〔1989年ニューイヤー・コンサート

               指揮=カルロス・クライバー〕

 

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2 コメント

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ヨハンシュトラウス (中田久乃)
2012-01-03 02:41:08
Toraさま
明けましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。
クリスマスが終わるとアメリカ人の挨拶は、ハッピーニュウイヤーになります。
私はこれに慣れなくて「年末なのに」と思います。FMのほうもクリスマスの曲からウィンナーワルツに変わります。

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ことしもよろしく (tora)
2012-01-03 08:33:11
中田さん,明けましておめでとうございますたしかに,アメリカの年越しのグリーティング・カードの文面は「メリー・クリスマス・アンド・ア・ハッピー・ニュー・イヤー」ですね.今年もよろしくお願いいたします
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