人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エピス・クァルテットでベートーヴェン「第14番」、メンデルスゾーン「第2番」の弦楽四重奏曲を聴く

2014年08月13日 07時01分20秒 | 日記

13日(水)。昨夕、虎ノ門のJTアートホール”アフィニス”でエピス・クァルテットのコンサートを聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」、②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調」です

エピス・クァルテットは、全員東京藝大の出身者で、ヴァイオリンの須山暢大は群馬交響楽団等の首席客演奏者として活躍、村津瑠紀は東京藝大非常勤講師で藝大フィルハーモニア第2ヴァイオリン首席奏者、ヴィオラの村田恵子は東京都交響楽団ヴィオラ奏者、チェロの伊藤文嗣は東京交響楽団首席奏者です

「エピス」というのはフランス語で香辛料のことだそうで、「楽曲がもつスパイスに自分たちのスパイスを混ぜ合わせて、深みのある音楽に料理したい」という思いが込められているとのことです

このコンサートを聴こうと思ったのは、第一にプログラムにメンデルスゾーンとベートーヴェンが入っていたから、第二に東響の定期コンサートで伊藤のチェロを聴いてたからです

 

          

 

全自由席のためできるだけ前の方にと思い、9列13番、右ブロックの左通路側席を押さえました 会場は9割方埋まっている感じです

最初のメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」は出版の関係で第2番となりましたが、実質的には最初の弦楽四重奏曲です メンデルスゾーンが18歳の時の1827年10月に完成しています この曲はパシフィカ・クァルテットのCDで予習しておいたので、メロディーは頭に入っています  

 

         

                                                 

4人のメンバーが登場し、さっそく演奏に入ります。第1楽章冒頭の序奏を聴いた時、「ずい分ゆったりした演奏だな」と思うと同時に、緊張感があり深みのある演奏だと思いました そして第3楽章で、ピッツィカートにのってヴァイオリンが弾くメランコリックなメロディーにはすっかり魅了されました 第4楽章のフィナーレでは第1楽章冒頭のメロディーが回帰して全体に統一感を持たせます 全体を通して18歳のメンデルスゾーンの瑞々しい感性に溢れた曲で、4人はその魅力を十二分に引き出していました

ところで、せっかく通路側の見通しの良い席を取ったのに、前席の若者が身体を左に傾けて聴いていたので、ヴィオラとチェロが見えなくなってしまいました コンサートに行くと時々いますよね、こういう人が 後部座席の人がどんな迷惑を蒙っているのか全く気にかけない無頓着な人がヤカラが コンサート会場の椅子は、普通に座っていれば誰もが普通にステージが見られるようになっているのです その普通が出来ないのですから困ります。今回のJTアートホールのようにバルコニー席がない場合はまだマシです。バルコニー席、とくに2階や3階のバルコニー席では頻繁にトラブルが発生します。ステージを見ようと隣人が身を乗り出すので視界が遮られるのです 多くのコンサートホールでは、事前に「身の乗り出しには十分ご注意ください」というアナウンスをしていますが、こういうトラブルが多いことの裏返しです。お互いに注意して楽しく聴きたいものです

休憩後はベートーベンの「弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調」です この曲は後期の弦楽四重奏曲の傑作の一つで、7つの部分(楽章)が連続して演奏されるところに特徴があります この作品は昨年観た映画「25年目の弦楽四重奏」でテーマ音楽として使われていました

第1楽章は第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロへとメロディーが受け継がれていくフーガですが、冒頭から集中力に満ちた演奏で、聴衆の耳を引き付けて離しません その後は、曲想が猫の目のようにクルクルと変わっていきますが、とくに第5楽章のチェロに始まるプレストのスケルツォは胸のすくような見事な演奏でした

このクァルテットは2010年に結成された若い四重奏団ですが、4人の息はぴったりです 結成から4年程しか経っていないとは思えないほど素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます 4人ともプロのオーケストラの第一線で活躍したり、大学で教えたりしているので、相当の実力者揃いであることは間違いありませんが、アンサンブルとして聴かせるには別の能力が必要でしょう その点、この4人はそれぞれが他のメンバーの演奏を聴く耳を持った素晴らしい演奏家たちだと思います 

今回のコンサートは「エピス・クァルテット~ベートーヴェン後期作品への兆戦Vol.1~」となっていることから、いずれVol.2のコンサートが開かれることでしょう。再び今回のようなスパイスの効いた演奏を聴くのを楽しみにしたいと思います

 

          

 

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