12日(火)。先日届いた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」事務局からのメールマガジンによると、来年5月の連休に開くラ・フォル・ジュルネ音楽祭のテーマが「パッション」に決まったと書かれていました 特定の作曲家や特定の時代の音楽を集めて演奏するという従来のやり方ではなく、時代を超えた普遍的なテーマにより選曲して演奏するということのようです
クラシック音楽界で「パッション」と言えば「受難曲」を差すのが常識です。「マタイ・パッション」と言えばJ.S.バッハの「マタイ受難曲」のことです。手元に「バッハ・コレギウム・ジャパン」による「パッション」というタイトルのCDがありますが、このCD(1999年3月録音)にはバッハの「マタイ受難曲」、「ヨハネ受難曲」、ヘンデルの「メサイア」から有名なアリアやコラールが収録されています
しかし、L.F.Jの主宰者ルネ・マルタン氏は、まさか受難曲だけを考えている訳ではないでしょう 第一、お客さんが集まりません。「パッション」のもう一つの意味「情熱」を想定していることは十分想像がつきます では「情熱」のテーマに即した作曲家、作品にはどんなものがあるのか・・・・・ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「熱情」とか、交響曲で言えばベルリオーズの「幻想交響曲」なども入りように思います いずれにしても、選曲はこれからのようです。発表が楽しみです
閑話休題
貫井徳郎著「愚行録」(創元推理文庫)を読み終わりました 著者の貫井徳郎は1958年東京生まれ。早稲田大学を卒業後、不動産会社勤務を経て、1993年に「慟哭」でデビューしました
傍から見ると幸せいっぱいの4人家族が、深夜、家に忍び込んだ何者かによって皆殺しにされる 隣人や夫婦の学生時代の友人などがルポライターの取材に答える形で物語が進む。彼らは何故殺されなければならなかったのか?取材を通して語られる彼らの過去の”実像”が浮かびあがる インタビューの合間に「おにいちゃん・・・」と呼びかける少女はいったい何者なのか。そもそもルポライターは何者なのか。ラストですべてが明らかになる
殺された夫婦の過去が愚かだったという意味での”愚行録”と言うばかりでなく、それを語る隣人や学生時代の友人などの興味本位の姿勢や優越感などを皮肉っての”愚行録”であると思います 読みやすい文体で最後まで一気に読み進めました。お薦めします
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます