今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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下手人はネコ PEN-Dの巻

2016年12月18日 21時18分56秒 | ブログ

関東地方は冬晴れが続いおり、日課のウォーキングも寒くて億劫ですが、カミさんに買ってもらったユニクロのウエアは少し歩くと汗をかくほど暖かいです。で、今日の当ブログは訪問者数は減ったのに順位は5200番に上がっていました。どうも閲覧数の順位みたいです。これ、どう違うのかな??

まず、Zuiko 20mmの清掃です。使い込まれたレンズで、後玉のカビと中玉のクモリ、ヘリコイドグリスの硬化などがあります。

まず、マウントの取付けネジを見ます。過去に分解を受けていますね。

 

 

結構な汚れです。ヘリコイドグリスも変質しています。

 

 

中玉のクモリは持病ですが、この個体は幸い清掃できれいになりました。

 

 

次は、過去にオリーブでリペイントをしたPEN-Dですが、オーナーさんの飼い猫ちゃんが棚に飾ってあったPEN-Dを床に落としてしまったとのことです。シャッターが不動になりました。グスン。

PEN-D系は巨大なレンズのためレンズ部が重く、落下をするとレンズに受けるダメージが大きいのです。特に、シャッター地板のレンズを取り付ける部分が非常に薄い設計で、強い衝撃を受けるとクラックが入ってしまうのです。元々、PEN-S程度のレンズしか想定していないシャッターを発展使用していますからね。無理なんですね。

シャッター単体にしても正常に作動しません。地板の外観にはクラックがなく、ほっと安心をしたのですが・・あぁ、ダメですね。シャッター羽根を作動させるリングが円周方向に動くレールの一か所に地割れのようなクラックが発見されました。

縁にも上方の向かってクラックが入っています。これによって地板に歪が起きて、シャッター羽根が正常に作動できなくなっています。これは地板の交換をする以外にないのです。ニャン太では叱れないしねぇ。

 

PEN用にコパルに製作依頼をしたが、初代PENには間に合わずPEN-Sから搭載された#000シャッター。コンパクトに製作するため地板も薄く設計されています。その基本設計はそのままでPEN-Dにも搭載されたことから、重いレンズに衝撃を受けると地板に損傷が起きるのです。で、オーナーさんとのご連絡がつかず、やっとご連絡がついて、ご所有の他のPEN-Dからシャッター一式を交換することになりました。到着までしばし作業中止・・。

やっと到着しました。別の作業をしていれば良いのですが、気持ちが切れてしまうのでやりません。部品調達用の個体はジャンクという訳ではなく保管中の個体とのことでしたが、1/500がデジカメ1.6秒のスピードで解放に写ってしまいます。全然眠い状態なのでオーバーホールをして搭載します。

オーナーさんは、交換用のユニットの方が距離のクリック感がしっかりとしているとのことでしたが、クリック感はピンセット先の溝に板バネが落ち込むだけの構造で、返って潤滑が切れている個体の方がクリック感がはっきりしているのです。

シャッターの地板。こちらはクラックなどはありません。

 

 

どんどん組み立てて行きます。絞りダイヤルはこの板バネによってテンションを掛けています。この個体は3個が組まれていますが、個体によって絞りの作動重さが異なるため、1個や2個の板バネとなっている個体もあります。組立作業者が感覚によって板バネの数を選択していたのでしょう。

レンズも曇っていますね。

 

 

前面カバー(距離指標)も程度の良い方を使います。

 

 

シボ革を貼りました。ここのチャージコロは紛失し易い部品です。シャツターユニットを交換していますので、PEN-D系は特にチャージの関連機構の調整が必要になります。

 

シャッターユニット内にも設計変更箇所がありましたが、巻き戻しダイヤルにも変更があります。ノブの巾が違うのと、➡の表示位置が異なります。

 

まぁ、思わぬ災難に遭った個体でしたが、何とか復活をすることが出来ましたね。猫ちゃんでなくとも、最近は地震の確率も高いですから、棚に飾っておくのは考えものです。皆さんも注意しましょうね。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/


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