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富塚孝一
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スモセコ PEACE のオーバーホールの巻

2021年08月17日 19時00分00秒 | ブログ

お盆休み最後ですので腕時計をやっておきます。パリス環式ケースのPEACEという時計です。由来は良く分かりませんが1940~50年代の時計でしょうか? この頃の時計としては珍しく石も使われていますね。現状は日差5分ぐらいで止まりがあるとのことです。極端な天真の摩耗は無いようです。

裏蓋内側にはアメリカ軍のマークのような刻印があります。文字盤にも赤字で13~24の記入がありますので軍用に使われたものかも知れません。

 

風防は硬質樹脂製ですが内側中央のTの印刷があります。クラックがあるのでオーナーさんは交換ご希望ですがこのままの方が良いかもしれません。

 

では、超音波洗浄をして組み立てて行きます。

 

 

ガンギ車の受けが何となく上側に曲げられているように見えます。ガンギ車がオリジナルではなくアガキの調整をされたのかな? とりあえず組んでみます。

 

動き始めました。アンクルに注油をすると安定して動くようになりました。

 

 

テンプの振れはそれほど大きくありません。

 

 

緩急針はそのままでタイムグラファーに掛けました。大きく進み方向です。フリクションが小さくなったのでしょう。片振りが大きい傾向にあります。

 

 

ホーロー文字盤ですから製造は古いようです。

 

 

何度も針の抜き差しをされているので圧入が弱いです。スモセコで気を付けなければならないのは短針と秒針の干渉です。短針と長針を大きく盛り上げて秒針との干渉を避けている個体も多いです。

 

風防の割れた原因が分かりました。ケースの側面に打痕が確認出来ます。風防の取付位置を合わせるとピタッと合いますね。ケースとベゼルには変形もあります。風防が固着している原因でしょう。

 

今回は風防は交換しません。赤字の13-24表示は当時の軍用仕様なのでしょうかね。PEACE かぁ・・

 

 

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