今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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二眼レフZenobiafleXの巻

2018年06月14日 22時54分43秒 | ブログ

二眼レフはA~Zまでの多数のメーカーが存在したとか。このカメラは1956年、ゼノビア光学が製造したゼノビアF-Ⅱというローライコードのコピー機らしい。珍しいモデルのようで、オーバーホールをして行きます。

 

反射ミラーはかなり劣化をしているようです。

 

 

二眼レフの内部は外部からのホコリやゴミの混入が多く、ヘリコイドグリスと混じって清掃が大変。あまり好きな作業ではありません。

 

反射ミラーを清掃してみましたが・・使えないわけではありませんが、作り直しですかね。

 

レンズはテッサータイプのネオ・へスパー77.5mmと半端な規格ですね。シャッターからレンズまですべて自社製造だそうで、レンズメーカーに頼るメーカーが多い中えらいですね。

 

見慣れたコンパー型のゼノビアラピットというのかな? 良く出来ていますよ。全く問題なく作動しますね。

 

スローガバナーやシャッター羽根を洗浄注油して組み直します。

 

 

反射ミラーをオリジナルと同寸法に切り出しました。私、ガラスのカットは苦手なんですね。カッターの良いものが欲しいのですが、道具のせいではないという天の声・・

 

 ファインダースクリーンは摺りガラスとフレネルレンズの組合せ。摺りガラスは交換の予定でしたが、比較的きれいなので洗浄で再使用とします。フレネルレンズは過去の分解でキズがあります。こちらも洗浄します。

 

きれいきれい・・

 

 

巻上げダイヤル周辺のメンテナンスをします。この頃の二眼レフのシボ革ってすごく薄くで0.28mmです。おまけに菓子箱のような紙製? のシボ革は剥離をするとボロボロになってしまいます。

 

 二眼レフの場合、メンテナンスをする時は必ずシボ革を剥離しなければならないという宿命があるんですね。しかし、当時の材質はすでに劣化をしていて剥離をすると再使用が出来ないことが多いわけです。今回も、再使用のつもりで慎重に剥離をしましたが、時間の経過で硬化と縮みが発生して縦方向で2mmも縮んでしまいました。そこでシボ革の型紙を取りますが、ダルマさんだけと舐めているとレリーズボタンの位置関係もあって結構大変・・これで5枚目ぐらいかな? 完ぺきではありませんが、まぁイイかというところ。

 二眼レフ用のシボ革はストックしていない訳です。まぁ、ニコンかPEN-S用でも良いと思いましたが、今回はカメラ用のビニールレザーではなくて、布で裏打ちがしてある早い話が椅子の貼り替え用。厚みは0.8mmぐらいありました。それの布を取り去って0.35mmまで薄く研磨加工したものを使おうかと・・

やっばりカメラ用のシボ革でないと接着剤を塗布するとビニールが柔らかくなって腰が無くなっちゃうんだよね。特に厚みを薄くしてあるので、裏のネジの出っ張りが表面に現れてしまうということが分かりました。まぁ、今回はこれで良しとします。

ついでにね。エキザクタのペンタファインダーですけど、一応清掃はしておいたのですが、接眼部分の補修塗装が下手くそで気になります。ヨーロッパからの仕入れということなので東ドイツ人が補修したのでしょうか?

 

ドイツ人にしては・・

 

 

補修塗装を剥離して母材の研磨をして塗装をしてあります。接眼部の艶は不明のため他の部分の艶を参考にしています。

 

構成部品の全てです。

 

 

こんなところですかね。次のオーナーさんが気持ち良く使ってもらえればよいです。

 

あっ、忘れていた。最後にフィルムを装填して作動を確認しておきます。二眼レフは若い方に人気があるようですね。現代の高性能なフィルムを使用して、このフォーマットの大きさですからハーフ判からしたら贅沢者。魅力的な写真が撮れるのでしょう。

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