今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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リコーキャディーのニコイチの巻

2017年03月17日 20時12分22秒 | ブログ

九州のご常連さんからリコーキャディーです。2台来ていますが、良いとこ取りで1台仕上げます。発売は1961年で、セレン式の露出計は内蔵していますが、LV値を読み取ってからセットする方式ですね。シャッターはセイコーシャ#000/561でB・1/4~1/250.レンズは25mmf2.8 3群4枚となっています。

ベースとする方はトップカバー角の打痕がありますね。巻き戻しダイヤルは左回転でポップアップします。

 

ファインダーのスリガラスと見えるのは、マイラーのようなフィルムの片面をマット加工をしてあるもの。オートハーフも同じですね。よって、RICOHのロゴのプリント加工が可能になります。しかし、前回のファインダー清掃時の再接着が下手くそで、接着剤がはみ出していますね。確かに接着しろが無いので面倒ではあるのですが・・検討の結果、セレンも不良のため、もう一台のトップカバーASSYを使うことにします。

ファインダーはPENによく似た設計で、コンパクトな露出計共、トップカバー側に収納するのもPENと同じですね。

 

マットフィルム面に接着剤がはみ出していますね。これは使いたくありません。

 

シボ革を剥がさなくとも、コンパクトなシャッターユニットは取り外すことが出来ます。

 

採用するトップカバーにもサイドに打痕がありました。修正します。

 

 

裏蓋は悩むなぁ。上の方が内側はきれいですが、下の方が外観塗装がきれい。下を採用。

 

きれいに見えても、1961年製のカメラですので、内部は埃だらけ。分解して洗浄してあります。では、組み立て開始。

 

底部にある巻上げダイヤル。チャージ機構を組み立てて、モリブデングリスを塗布してあります。

 

裏蓋も洗浄をして本体に取り付けます。

 

 

問題のシャッターです。分解前のテストでは、不調になる時がありました。レンズはきれいです。

 

あぁ、ここのネジが緩んでいますね。ガバナーを正確にコントロール出来なかったようです。

 

地板組み込み式のガバナーはギヤに錆が出ています。回転もスムーズではありません。

 

すべて超音波洗浄をして組み立てて行きます。

 

 

シャツター、絞りリング共洗浄して組み込んであります。前面の距離リングはローレットにアルマイト剥離がありますので、もう一台の部品を使います。

 

後玉を清掃をしてセットしました。

 

 

本体側は完成。

 

 

ファインダーはハーフミラーのメッキ剥離などもあって、良い部品を選んで組み立てました。

 

画像撮り忘れた。ファインダーと露出計をトップカバーにセットをして本体に取り付けました。巻上げはポップアップ式のダイヤルで、ノブ式よりは巻き戻し操作は楽な気もしますが、連続で巻き上げるのはノブ式の方が理に叶っているのかな?

 

露出計はセレンがダウンのため作動しなくなっているものが多いようです。移植したセレンは良好で針も元気に振れています。やはり、同じモデルでも、製造が後期のものが生きている可能性が高いですね。

 

あれっ、巻上げダイヤルが無い? PENに慣れているせいで、巻上げダイヤルを探してしまいます。下だよ。

 

ということで、良いとこ取りで仕上げたキャディー。きれいですね。

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