しばらくお休みを頂きました。帰宅しましたので、またブログをUPして行きたいと思います。再開のはじめはきれいなPEN-FT#2771XXですね。ひょっとすると未分解機かも知れません。巻上げレバーがトップカバーと接触しています。セルフレバーはちょっとお辞儀気味。シャッターは最初は非常に眠くてスローモーでしたが、何度も切っているうちに改善してきましたので、メカではなく潤滑油切れや低温により作動が鈍くなっているのでしょう。
モルトはオリジナルが劣化をしたままの状態です。稀にこのような個体を見ますが、本体に油がにじみ出ていますね。シャッター幕とスプロケット軸のどちらからか流失している場合があります。
思ったとおり、未分解機でしたね。30万代の個体を珍重される方が多いですが、この27万代ですでにすべての変更は完了しています。その後期型にしては、巻上げのゴリツキが少ないのが気になります。
本体からシャッターユニットを取り出してみます。あら~、シャッター羽根に水油がベチャベチャですよ。これはすべて洗浄脱脂をしなければなりません。
地板とシャッター幕の隙間は油で覆われています。
巻上げギヤ(軸)にも大量の水油が塗布されていて、元々のグリスを溶かしています。それで巻上げのゴリツキが少なかったのでしょう。底蓋を外して、軸受部分に注油をしたようです。カメラは流れるほど水油などは使わないのです。
では、いつものようにダイカスト本体の洗浄後、二軸から組立てています。アイドルギヤの上下にはグリスを塗布しておきます。
超音波洗浄をしたシャッターユニット。切粉が大量に出ます。各部のグリスアップ後、メインスプリングをセットします。後期型なので条数の多いタイプです。チャージギヤはまだカシメタイプ。30万代中期からナットによる組立式。
完成したシャッターユニット。シャッター幕も完全に脱脂(注油)をされています。スローガバナーの状態は非常に良好。たぶん、殆ど使用されていません。細歯車の損傷もありません。
すでに本体にシャッターユニットを組み込んでいます。ここから水油を注油してしまったわけですね。ロアーギヤを取り付けて、巻上げと連結します。(グリス塗布)
ご覧のように、プリズムのコーティングも完璧な状態です。巻上げレバーがトップカバーと接触していましたので、ダンパーゴムの当たりを変えておきます。
すみません。昨日は検診で出かけて体力消耗につき、ズル休みしました。では再開。ハーフミラーは曇りが多いので新品と交換します。
シンクロのリード線は断線寸前でしたので再半田付けをしてあります。洗浄注油をしたセルフタイマーユニットを組み込んでいます。レバーを取り付けて、停止位置の水平調整をします。
マウントリングですが、端面に艶消し黒の塗装が回っていますね。マウントに塗装部分などは無いのですが意味が分かりません。はじめて見ました。
駒数ギヤは真鍮ギヤのみに極少量注油をします。その他は、粘りの原因になりますので無給油です。
本体は完成で、付属の38mmを清掃しておきます。本体とセットで販売されたレンズですね。設計変更後のタイプです。持病のヘリコイドガタが大きく出ています。ヘリコイドグリスが抜けているのです。レンズ自体は比較的良好です。
完成したレンズを本体に取り付けてすべて完成となりました。最近手元にやってくる個体は、何故か程度の良いものが多いように思います。コレクションの放出なのでしょうか? 次の世代の方にしっかりと受け継いで頂けるように願ってやみません。悪いところはどこにもない完璧な1台。