今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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セイコー・チャンピオン Alpinist をO/Hするの巻

2013年04月05日 10時00分00秒 | インポート

Dscf044501 がたぱしゃさんから腕時計が届きましたよ。ご趣味が山登りですから、セイコー・チャンピオン850 アルピニストと言う防水強化型のケースに入ったモデルですね。1964-7月の製造です。ステンレスモデルもありますが、このモデルは金めっきモデルです。風防内周の部分の劣化が気になりますね。

Dscf044801 ケースの内周は研磨をしてあります。風防は新品が付属して来ましたが、残念ながら寸法が適合しませんので使えません。そこで、かなりヤレた古い風防を必死に研磨してみました。まぁ、そこそこ見られるようになりましたね。

Dscf044701 ケースを仕上げて、機械を分解しましたが・・・ここで問題が発生しましたよ。

Dscf044901 リュウズの抜き差しでクリック感を出す「カンヌキ押エ」という部品の板バネの部分が折れています。古い時計では、ここは金属疲労により折れやすい部分です。これは部品を交換するしかありませんね。

Dscf044902 機械は第二精工舎(亀戸)製の普及機チャンピオンで17石の手巻き式です。機械としては、目だった磨耗や水入りも無かったようです。受けが直線的なのが特徴ですね。

Dscf045101 姿勢差は安定していますので、天真などの磨耗は少ないようです。この頃の機械は、片振りの調整機構がありませんので、直接、ひげゼンマイに触れて調整をして行きます。あとは、不良の交換部品が到着するのを待ちます。

Dscf045901 部品取りとして基礎キャリバーを搭載したフェアウェイが来ました。このモデルは、セイコーの始めてのワンピースケースとのことで、56系と同じように裏蓋がありません。機械の取り出しは風防ベゼルを外して行いますが、細いパッキン一つで防水を確保していますが、ちょっと心もとない感じですね。リュゥズの巻き芯はジョイント式ですので、角度を合わせて機械を取り出します。程度が良かったら、このモデルも貴重なモデルなんですね。

Dscf046001 瞬間的にはこんなデータが出ますけど、完全に安定はしませんね。

Dscf046101 完成した機械をケースに収めて裏蓋を圧入します。

Dscf046201 これで完成です。付属のベルトは、19mm幅で、18mmのラグに無理に取り付けられていました。規格の合ったベルトと交換をされるとのことですから、取り付けないでおきます。