染二の会-山本周五郎作品に挑む-(2015.10.8 天満天神繁昌亭)
-演目-
桂 米輝さん「道具屋」
桂 しん吉さん「天災」
林家染二さん 「替り目」
仲入り
ラッキー舞さん 大神楽
林家染二さん 「ぼうふり」
なんだか落語会の感想はすごく久しぶりになってしまったんだけど、今回はぜひとも書いておきたいと、えっと筆もペンもとらないな・・・キーボードを開く?(笑)。ま、そんなこたぁどうでもいいや。とっとといきましょう。
米輝さんの「道具屋」。こんなにショートバージョンなのは私初めてでした(笑)。おじさんの商売を泥棒だと言うのもなし。本屋のゼンさんを初めから知っている。「しょんべん」云々もなし。落語ってのはいろいろ縮めようがあるのだなぁ。と改めて感心しましたよ。
続いてのしん吉さんの「天災」も多分ショートバージョン。こちらはそんなに聴かないので、何がどう抜けてたのか把握出来ないんだけど、短かったような気がする。
当日「お楽しみ」となっていた染二さんの演目は「替り目」でした。染二さんの「替り目」は初めて聴くので、ちょっと得した気分。でもうどん屋さんの出てこないバージョンでした。
仲入り後は大神楽のラッキー舞さん。すごいわ。客席が好奇心満々の子供状態と化しておりました。楽しかった。
で、私のお目当ての「ぼうふり」。
山本周五郎さんの作品「深川安楽亭」を上方落語にしたものなんですが、これの映画化された作品小林正樹監督の「いのち・ぼうにふろう」が好きなんですよ。映画好き仲間でも評判の作品で以前・・・CATVで放映されていて観たんですが、生まれて初めて誰かのために命を張る無頼漢たち。かっこいいんですよねぇ。それを落語にするっていうんですから、こりゃもう見逃す訳にはいきませんよ。上演の二日前に映画「いのち・ぼうにふろう」を再見して望みました。
とにかく一言「素晴らしい」。まず物語の舞台ですが、上方落語ですからもちろん大阪、中之島の鼠島となっておりました。「鼠島」?と思っていて帰ってきて速攻調べましたよ。これが実在したんですねぇ。しかも立地も物語にぴったり。お見事です。そして江戸の男たちが違和感なく上方の男たちに変わってます。取捨選択された登場人物たち。安楽亭の主人とその娘。仕事を持ちかけてくる小平に安楽亭に運びこまれる富次郎。ふらりとやってくる酔っぱらい。ここらは外せないですよね。で、命ぼうにふる男たちが3人に集約されています。生き仏の与兵衛に由之介、仙吉の三人。本来映画での主役である「知らずの定七」をあえて外したのがこれまたうまい!物語の流れを落語という行間のないものに持っていく場合定七というキャラはなかなか難しいと思います。それに与兵衛というキャラは本来主役になってもおかしくないキャラですしね。その与兵衛に定七テイスト足して、由之介によし公を足したという感じでしょうか。仙吉には文太がプラスされ、よし公テイストも入れられている。・・・とまぁ、私は勝手に判断したんですけどね(笑)。物語は無理なくムダなく、私の知っている通りに運ぶ。ラスト、どうするのかな?と思っていたら、なるほど・・・そう来ますか。上方落語らしい笑いもちゃんとある人情話。上方落語独特のハメモノも生かされていたし、本当にいいお噺でした。観に行ってよかった。今後再演されて、この日以上に熟成された「ぼうふり」また聴きたいなと思います。
-演目-
桂 米輝さん「道具屋」
桂 しん吉さん「天災」
林家染二さん 「替り目」
仲入り
ラッキー舞さん 大神楽
林家染二さん 「ぼうふり」
なんだか落語会の感想はすごく久しぶりになってしまったんだけど、今回はぜひとも書いておきたいと、えっと筆もペンもとらないな・・・キーボードを開く?(笑)。ま、そんなこたぁどうでもいいや。とっとといきましょう。
米輝さんの「道具屋」。こんなにショートバージョンなのは私初めてでした(笑)。おじさんの商売を泥棒だと言うのもなし。本屋のゼンさんを初めから知っている。「しょんべん」云々もなし。落語ってのはいろいろ縮めようがあるのだなぁ。と改めて感心しましたよ。
続いてのしん吉さんの「天災」も多分ショートバージョン。こちらはそんなに聴かないので、何がどう抜けてたのか把握出来ないんだけど、短かったような気がする。
当日「お楽しみ」となっていた染二さんの演目は「替り目」でした。染二さんの「替り目」は初めて聴くので、ちょっと得した気分。でもうどん屋さんの出てこないバージョンでした。
仲入り後は大神楽のラッキー舞さん。すごいわ。客席が好奇心満々の子供状態と化しておりました。楽しかった。
で、私のお目当ての「ぼうふり」。
山本周五郎さんの作品「深川安楽亭」を上方落語にしたものなんですが、これの映画化された作品小林正樹監督の「いのち・ぼうにふろう」が好きなんですよ。映画好き仲間でも評判の作品で以前・・・CATVで放映されていて観たんですが、生まれて初めて誰かのために命を張る無頼漢たち。かっこいいんですよねぇ。それを落語にするっていうんですから、こりゃもう見逃す訳にはいきませんよ。上演の二日前に映画「いのち・ぼうにふろう」を再見して望みました。
とにかく一言「素晴らしい」。まず物語の舞台ですが、上方落語ですからもちろん大阪、中之島の鼠島となっておりました。「鼠島」?と思っていて帰ってきて速攻調べましたよ。これが実在したんですねぇ。しかも立地も物語にぴったり。お見事です。そして江戸の男たちが違和感なく上方の男たちに変わってます。取捨選択された登場人物たち。安楽亭の主人とその娘。仕事を持ちかけてくる小平に安楽亭に運びこまれる富次郎。ふらりとやってくる酔っぱらい。ここらは外せないですよね。で、命ぼうにふる男たちが3人に集約されています。生き仏の与兵衛に由之介、仙吉の三人。本来映画での主役である「知らずの定七」をあえて外したのがこれまたうまい!物語の流れを落語という行間のないものに持っていく場合定七というキャラはなかなか難しいと思います。それに与兵衛というキャラは本来主役になってもおかしくないキャラですしね。その与兵衛に定七テイスト足して、由之介によし公を足したという感じでしょうか。仙吉には文太がプラスされ、よし公テイストも入れられている。・・・とまぁ、私は勝手に判断したんですけどね(笑)。物語は無理なくムダなく、私の知っている通りに運ぶ。ラスト、どうするのかな?と思っていたら、なるほど・・・そう来ますか。上方落語らしい笑いもちゃんとある人情話。上方落語独特のハメモノも生かされていたし、本当にいいお噺でした。観に行ってよかった。今後再演されて、この日以上に熟成された「ぼうふり」また聴きたいなと思います。