にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【歌舞伎】『二月花形歌舞伎』夜の部

2012年02月11日 | STAGE
【歌舞伎】『二月花形歌舞伎』夜の部
『義経千本桜』すし屋
いがみの権太:愛之助
弥助(維盛):染五郎
梶原平三景時:獅 童
鮨屋弥佐衛門:歌 六

『研辰の討たれ』
守山辰次:染五郎
平井九市郎:愛之助
平井才次郎:獅 童

『義経千本桜 すし屋』
この演目大好きなんですよね。生まれて初めての歌舞伎は2007年の吉例顔見世興行の京都南座。その時の演目がこの『義経千本桜 すし屋』だったんですよ。そのときのいがみの権太は菊五郎さん。それ以来この話が好きで文楽で『義経千本桜』の通しで見ることが出来たおかげで『義経千本桜』はどの段も好きなんですが、この「すし屋」は一番引き込まれる物語ですよね。落語の『猫の忠信』でも、この段が語りたいってあるくらいですからね。
菊五郎さんの権太はもちろんよかったですが、今回の愛之助さんの権太もいい。やんちゃっぷりがいい感じで似合ってました。それにしても歌舞伎のお話って身代わり・・・って多いですよねぇ。

『研辰の討たれ』
こちらは以前シネマ歌舞伎で見たんですが、実はその時、その前に見た『鼠小僧』がおもしろすぎたせいか、なんだかイマイチだったんですよね。だから今回は、さて?という感じで見たんですが、シネマ歌舞伎版より面白い!ま、断然生の方に軍配あがっちゃうっていうのはあるかもしれませんが、シネマ歌舞伎版では奇を衒いすぎた感じがあって、あまり物語の面白さって感じなかったんですよ。でも今回は一幕、一幕流れがあって、宿屋の闇夜のシーンなんかはシネマ歌舞伎ではダンスなんて形にしてたりしたんですが、普通にドタバタの今回の方が面白かった。しかもびっくりしたのが宿屋から逃げ出すときに辰次が水桶にはまるんですが、まさか本当に水が入っているとは思わなかった。そして最後の幕「善通寺大師堂裏手の場」では、三階席だから全く見えなかったんですが、二人に見つかった辰次が花道を逃げる!そしてどうやら一階席の中を逃げ回っているようで・・・。舞台に戻った三人・・・と言っても染五郎さんは気絶させられてのびてる役だったからいいけど、あとの二人はちょっと息があがっちゃった感があって、リアルに笑えた。その後なんだかんだと二人をかわす辰次。刀を持って構えたかと思ったら「あ、襟が・・・」と刀を離して直す。その時袴の紐がほどけてたのを、どうやら客席から指摘があったらしく「え?紐?ああ・・・」と言って再び刀を離して直す。愛之助さんと獅童さんがその客席に「もう!」って感じで注意してたのが生ならではで面白かった。とにかくここでは染五郎さんノリノリの野放し状態(笑)。楽しそうだし楽しいし・・・観に行ってよかった!

そして本日一番びっくりしたのが歌舞伎なのにカーテンコールがあったこと。
舞台が終わって私の隣にいた二人の女性が、「歌舞伎はないのかな?」とか言いながら拍手を続けてた。普段普通のお芝居を観に行かれてて歌舞伎は今回初めてなのねなどと思っていたら、その二人だけじゃなくパラパラと拍手が続いている。それがなぜかだんだん大きくなって・・・それでもまさかないだろうと思っていたら、幕があいて三人が!いやあマジで驚きましたね。本当にまさかのカーテンコールですから。しかも一階席で「ブラボー」の声があがっていて、それを聞いた染五郎さんが拍手をちょっと静止して、その声を再度促して再び「ブラボー!」。歌舞伎好きの人に言わせると「ブラボー」はないだろうってことなんでしょうが、今回に限ってはありじゃないかなって思います。本当に『研辰の討たれ』楽しかったもん。まさかのカーテンコールを体験出来て、本当に今日観に行けてよかった。こういうのがあるから生の舞台って楽しいんですよね。

-2012.2.11 大阪松竹座-


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