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今日の筆洗

2020年05月01日 | Weblog

 議場に失笑が起きたという質疑を覚えている。五年前の参議院予算委。議員だったアントニオ猪木氏が質問した。「UFOについて、なにか情報はあるのか」「(自衛隊機が)スクランブルをしたことは」と。自身の未確認飛行物体(UFO)目撃談も交えていた▼当時の防衛大臣は、「承知してない」などと答えたはずである。論語に「怪力乱神(かいりょくらんしん)を語らず」という。理性で説明できないものは語らないと一般に解される言葉だ▼政治家や国家がまじめに怪力乱神を語ればこっけいにもなろう。良識の府のUFO談議に脱力感を覚えた記憶がある▼米国防総省が先日、UFOが写っていると話題になっていた映像を公開した。「現象の正体は分からない」とまじめに論じている。それを受けて、河野太郎防衛相は、UFOに自衛隊機などが「万が一遭遇したときの手順をしっかり定めたいと思います」と会見で述べた▼こっけいさを感じないでもない。しかし、重苦しい現実が続き、コロナ禍関連の話題がニュースの大半を占めるこの時節、どこか精神のつかの間の息抜きになるような話にも思える▼海軍機から撮影されたという映像では謎の物体は高速で飛んでいる。軍人とおぼしき「回転してるぞ」「なんてこった」の声も入っていて、なかなかの迫力がある。理性で割り切れない話で、現実を少しだけ忘れるのも許されようか。

 
 

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