東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

新入生自己紹介 2024 part14 平井 咲如

2024年06月30日 23時34分05秒 | 新入生自己紹介

野口くんご紹介ありがとう!めっちゃ優しいという言葉をそのままお返ししたいくらい野口くんこそ優しいと思ってるよ!

 

1.自己紹介

 はじめまして!2年入部の平井咲如です。 咲如という名前はかなり珍しく、なかなか初見で読んでもらえないのですが、さゆきと読みます。名前の由来は文字通り「咲くが如し」ということで、花が咲くように周りを照らせる人になってほしいと両親が思いをこめてくれました。私は自分の名前をとても気に入っています!名前に相応しい人になれるようヨット部でも笑顔を忘れずに頑張っていきます!

 

2.生い立ち  

 出身は岡山県で高校は岡山大安寺中等教育学校です。瀬戸内海に面し温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、「星と海のまち」として注目されつつある(?)浅口市で育ちました。空気が澄んでいるため、天体の観測所として選ばれ、国立天文台や東大の望遠鏡が幼い頃から身近にありました。そのおかげで宇宙に対する興味が小さい頃からあったので、宇宙飛行士候補の米田あゆさんの記事でヨット部でのエピソードを見た時は何か運命のようなものを感じました。米田さんは東大ヨット部に入るきっかけとなったという意味で私に大きな影響を与えた1人ですが、私の人生観に影響を与えた人をもう1人挙げるとするならば、それは大村智さんです。

 彼は線虫感染症という熱帯地域の寄生虫が原因で起きる深刻な病気の新しい治療法を発見したことで、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。私が彼のことを知ったのは小学6年生の夏休みに読んだ「大村智ものがたり 苦しい道こそ楽しい人生」という本がきっかけです。彼が大切にしている言葉に「至誠天に通ず」と「一期一会」というものがあります。 「何事にも誠心誠意取り組めば願いは必ず天に通じる」「人との出会いを大切にする」という意味のものですが、この言葉が私のなかに変わらずあるのは幼い頃からの経験が関係しているかもしれません。私は幼い頃から音楽が好きで、3歳からエレクトーン、中高6年間は吹奏楽部でクラリネットを演奏していました。私の人生の1番多くを占めていたのは音楽を奏でることと言っても過言ではありません。

 

3.音楽で学んだこと  

 一つ目の楽器であるエレクトーンですが、初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。ピアノにあるような上下鍵盤に足のペダルを加えた3つの鍵盤を使って演奏する楽器で、自分でパーカッションや弦楽器、管楽器を組み合わせ、1人でオーケストラを奏でているような気分になれるところが特にお気に入りです。最初に幼児コースに通い始めたときには10人ほどいたのですが、年齢が上がっていくにつれて辞めるひとが増え、最後は先生と一対一でレッスンを受けていました。たった4小節のフレーズが弾けなくて、その部分だけで1時間のレッスンが終わることもめずらしくありませんでした。レッスン中も自宅で練習している時もひたすら自分の音と向き合うので、思い描いた通りに弾けない自分が悔しくて何度も泣いた思い出もあります。それでもコンクールのときには入賞を目標として、譜面が真っ黒になるくらいに書き込みをして、自分に言い聞かせては練習を続けました。最後のコンクールではリムスキー=コルサコフの雪娘という曲を演奏しました。同世代の出場者と審査員がいるコンサートホールで自分の音だけが響くのはとても緊張します。いつも使っているピンクのUSBがお守り代わりで、それをエレクトーンに挿しこみ今までの練習を思い出して心を落ち着かせていました。人前に出る度胸がついたのはこの経験からだと思います。コンクールの結果は銅賞でした。音の間違いが見られたものの曲に合わせた表現を評価していただけたようで、以前のコンクールで悔しい思いをしていた私は自分としても練習の成果が報われたと感じた瞬間でした。  

 中学校に入学しても音楽が好きなことは変わらず、吹奏楽部に入部することをすぐに決めました。それまでは1人でエレクトーンを演奏していたので、中高6学年合わせて100名ほどの人数で演奏する吹奏楽は私にとってとても新鮮でした。経験者が少なかったため、経験の違う中学1年生から高校2年生までがひとつのバンドで演奏するのは、大変でもありますが、やりがいを感じることの方が多かったです。エレクトーンの時は上手くなるかどうかは自分自身の練習次第でしたが、吹奏楽のようなバンドでは色んな個性を持つ楽器やひとが集まっていて、スーパープレイヤーがいることよりも、曲に対するイメージやそれに合った表現の認識を共有していかに同じ方向をみんなで向きながら音をまとめることができるかの方が大切なんだなと学年が上がるにつれて痛感していました。だからこそ部内最多人数のクラリネットのパートリーダーを務めた時には、同期と相談してパート練習やセクション練習(同じクラリネットパートでも1曲の中で皆んなが同じ楽譜を吹くのではなくメロディー、ハモリなど3種類に分かれていて、セクションはパートよりさらに小さいまとまりです)に特に力を入れて練習メニューを考えました。セクションやパート単位での練習は、個人練ではなかなか気づきにくい自分の吹き方の癖や音量、音程のバランスに意識を向けることができると感じていました。そのため自分が持っているイメージをできるだけ言語化してパート内で共有し、気になるところはパート内でこういう吹き方がいいのではと話し合ったり何通りも試したりして理想の音楽に近づけられるように努めました。このような練習を継続して、目標としていた県大会予選での金賞獲得を達成できたのは、やはり部活で素敵な仲間に出会えたからだと思います。恩師の先生からは「お互いさま」という気持ちを忘れないことの大切さを学び、先輩からはあるべき姿と理想の音楽を学び、同期からは同じ目標に向かって一緒に音楽をつくっていく楽しさを教わり、後輩からは上の学年が教えているようで実際は私たちが後輩から教わることの方が多いんだということを実感させてもらいました。部活でたくさんの尊敬できる人に出会えたことが今でも私にとって支えとなっています。

 

4.ヨット部に入った理由  

 ここまでほとんど音楽の話をしてきたので、本当にヨット部部員のブログなのかと目を疑った方がいたかもしれません。実際私が友人にヨット部に入部したことを話すとイメージにないらしくとても驚かれました。そんな私ですが、ここからはなぜ東大ヨット部に入部したのかについてお話しします。ずばり理由を一言で言うならば、今までと全く違った新しい環境に身を置いて人間としてさらに成長したいと考えたからです。高校を卒業し、昨年大学に入学してから1年間、私は高校の部活と同じくらい熱中できるものを見つけるために、興味を持ったことはとりあえず何でもやってみようという精神で、宇宙関係のイベントを運営する団体で活動したり、欧州連合主催の模擬EUに応募して参加したり、気になる建築物を一目見ようと普通列車で東京から福岡へと一人旅に出たりと勉強からプライベートまで思いついたことを片っ端から取り組んでみました。短期集中で色々挑戦するというような生活を1年間続けていると、上手くいくこともあるけれど失敗して落ち込むことの方が多く、なぜ失敗したのかその理由を繰り返し考えるうちに自分にとって何が大切なのか見えてくるようになりました。大学に入ってから様々な場に行くたびに新たな知り合いが増え、自分にはない専門性や秀でた才能を持っている人にたくさん出会うけれど、どこかひとりよがりに感じてしまうことがあり、何をするかも大事だが、それ以上にどういう人とどういう目標と姿勢を持って取り組むかが自分が成長する上で大切なのではと考えるようになりました。そんな時に今のヨット部2年同期であり、大学1年生からクラスで一緒だった彩葉にヨット部の話を聞きました。ヨット部の先輩方、同期がどれだけ真剣に部活に取り組んでいるのか、それがいかに自主的なものであるかが伝わってきて、これだ!と一瞬でビビッときました。全く違うように思える高校時代の吹奏楽とも何かリンクするものを感じましたし、大学でも彩葉のかっこいい姿をたくさん見てきたので、彼女と一緒に頑張ってみたいという気持ちも大きかったです。今では彼女とヨットに乗ることが夢でもあります。

 

5.ヨット部での目標  

 実際に入部してちょうど1ヶ月が経ちました。まだまだ分からないことだらけですが、2年入部で大丈夫かなという不安な気持ちよりこれからに対するわくわくした気持ちが大きく、毎日が明るく開けた感じがしています。  始まったばかりの部活ですが、これからの部活人生における私の目標は、東大ヨット部全日本優勝に貢献できる選手になることです。長く続けてきた音楽において、目標を達成した経験を前半で書きましたが、一般的に広い視野で見ると決して突出して優れた結果ではないと思いますし、自分も秀でた才能を持っているわけではないと思います。だからこそ、東大ヨット部で全国という舞台で戦える人になるために、これまでの経験で学んだことを踏まえつつ技術面と精神面でこれから心がけたいことをこの場を借りて宣言したいと思います。  

 まずは技術面。セーリングに限らず、自分が目標とするような上手い人を見て学ぶこと、そしてそれを実現するために反省をもとに改善する努力を継続することが重要だと思います。そのために、

・先輩やプロセーラーの練習風景や動画をしっかり観察して目指すイメージを持った上で練習に参加すること

・毎回目標を持って練習し、練習後は毎日10分から振り返りノートにむかう習慣をつけること

・途中入部で差のついている練習時間は自主練に積極的に参加して取り戻していくこと

の3つを徹底していきたいです。  

次に精神面。部活の部員はライバルでもあるけど、それ以上に一緒に成長する仲間だと思うので、まずはしっかり信頼してもらえる人になりたいと思います。

・挨拶

・合宿所の整理整頓、ヨットを大切にする

・マネージャーやLBさんなどお世話になる人に感謝の気持ちを忘れない

のようにヨットの技術以前に基本的だけど大切なことを当たり前にできる人でありたいです。

 そして残り3年間のヨット部の活動を通して

・一度決めたことは途中で投げ出さない

・部活個人に関わらず現状の問題から目を背けず、実現したいことを口に出していく

・問題解決のための方法を考えて周りと話して共有しながら実行していく

上の3つを実行できるような人に成長したいです。成績だけを追い求めるのではなく、みんなで上手くなっていく意識を持って、生活面でも人との関わり方でもどこを見ても恥ずかしくない人になれたらいいなと思います。男子部員の多いヨット部ですが、健康に気をつけて数少ない女子プレーヤーとして負けずに活動していきたいです。

 

6.お世話になる方々へのメッセージ  

 最後にはなりましたが、これからお世話になる方へのメッセージで自己紹介ブログを終わりにしたいと思います。

 LBの方々。東大ヨット部の活動を支援していただき、誠に感謝申し上げます。LBの方々が築き上げてくださったヨット部の伝統と支援のおかげで、新合宿所をはじめとした恵まれた環境で活動させていただけるのだと思います。これから精進してまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。  

 先輩方。2年入部であることを考慮して貴重な練習機会を与えてくださりありがとうございます。ひとつでも多くのことを先輩から学べるように練習に打ち込みたいと思います。これからもよろしくお願いします!  

 同期へ。2年生も新入生も同期として受け入れてくれてありがとう。自主練に付き合って色々教えてくれる2年生も、自主ゼミでやる気のある1年生もすごいなと思うことが多くて、これから一緒に活動できることが嬉しいし、楽しみです!  

 家族へ。いつもありがとう!心配させてしまうこともあるかもしれないけど、勉強も犠牲にすることなく両立して頑張っていくので、温かく見守ってもらえると嬉しいです!

 

 大変長くなりましたが、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。これからよろしくお願いします。

 

 次の新入生自己紹介は、練習後に話すと一瞬で部員の疲れを吹き飛ばしちゃうマネージャーのひな(深澤日菜)です!魔法の力を持っているんじゃないかと思っています。はやくも上級生レスキューで動画撮影をして大活躍!周りのことをよく見ていてすごいなと感じることが多いので、ヨット部にとって欠かせないスーパーマネージャーになる予感がしています!彼女のブログをお楽しみに!!