東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

意識的に学ぶ

2020年03月12日 23時07分07秒 | 内なる考え

こんばんは。マネージャーの仲田です。

 

京大留学から帰ってきて、早2週間が過ぎようとしています。

合宿中はあんなにオフを渇望していたのに、いざオフになってみると自分が何もしない人間であることを再確認して少し凹み、忙しない合宿生活もやっぱり結構好きだったんだなと感じている今日この頃です。

 

前回のリレーブログで私は昨年の京大のチームづくりについてつらつらと書いたこともあって、あの噂の京大を体感できるんだ!と前々からこの京大留学をとても楽しみにしていました。

実際行ってみて、京大留学は、現状の東大のレスキュー運営と個人的な動き方を見つめ直すいいきっかけになりました。

 

まず京大では、マネージャーにレスキュー運営が一任されており(!)、レスキュー艇の運転もすべてマネージャーが行います。

京大マネージャーで印象的だったことは、主に以下の3つです。

1つ目は、沖でのレスキュー協力体制が確立されていること。マークを打ったり各チームの練習メニューが変われば、逐一連絡します。東大では淡青と疾風間で連絡が取れないなんてことがありますが、京大は沖での連絡が密で、常に470とスナイプがどういう動きをしているかが把握できます。両チーム合同でやりたい練習がある時はすぐ呼びかけて練習を始めていました。

2つ目は、動画撮影を非常に重要視しており、動画を撮るための運転に徹していること。必ずスタンの真後ろにレスキューが位置して、ブームが点に見えるようにレスキューは運転されていました。ミーティングの時にもその日の動画や参考動画を見る文化があり、京大の強みである動画分析力を支えているのは、この動画のクオリティを保つレスキュー体制なんだと思いました。

3つ目は、マネージャーミーティングの存在。その日の運営上の反省点、トラブル対処について共有していました。今の東大で始めても内容が薄くあまり意味がないと思うのですが、ゆくゆくはマネージャーミーティングも出来るくらいの仕事量を持てるようになれたらと思いました。

 

以上のような感じで、東大に持ち帰って改善するべきことが明確化した気がします。

 

そして、個人的な話になりますが、京大での大きな収穫はヨットの動作に目がいったことでしょうか。

 

4日間という短い期間、京大でレスキューに乗らせてもらった時良くも悪くもお客さん扱いであったために、私は正直マーク打ちマーク上げ以外これと言ってすることもなく余裕がありました。何もすることがないなら京大の人の動画をたくさん撮って東大に持ち帰るのが使命だ!とそのことだけを頭に、ひたすら動画を撮っていました。そうすると、次第に動作に目が行くようになりました。そうか、スキッパーはこういう動きをするんだ、ジャイブの時のセールってこんな風になってるんだへえ〜〜!と。

 

昨年の代交代から海に出るようになりましたが、今思えば東大でレスキューに乗っている時は、「何をしているかよくわからないけど忙しくしている」という感じだった気がします。なんとなく忙しくしている自分に満足してしまっていて、自分がいかにレスキューの上で漫然と過ごしていたのかを痛感しました。海に何十回も出ていればそのうちヨットのことわかるかな?なんて甘い考えをしていました。ごめんなさい。ただぼーっとヨットのことを見ていても何もわかりません。スキッパーとクルーがそれぞれ何をしているのか、先輩がメイン引いて〜と言ったあとどんな風にセールが変化しているのか、小松さんがどういうコースを設定してどんな練習をさせたいのか。意識的に取り組めば入る情報量は格段に変わります。

 

こうして意識的に学んで知見を蓄えていくことは、いずれ私たちマネージャーが練習運営をしたいと夢見るなら避けては通れない道です。

 

と言っても、練習運営云々を考える前に、ヨット自体の楽しさがわからない中ずーっとレスキューに乗るのは辛いだろうなと思っていた自分もいました。今回やっと、ヨット競技自体に興味を持てるようになったかもしれません。私は船に乗ることはないけど、もっと良い動作がどんなものか知りたい。マーク際でどんなケースが起きたのか理解できるようになりたい。プレイヤーと共通言語を持てるようになれたらどんなに楽しいだろう、そんな風に思いました。

 

東大のマネージャーがプレイヤーと共通言語を持って同じ視座で、いやもうちょっと欲を言えば、自主的に練習運営ができるようになれれば、サポート体制としてかなり強くなれるはずです。京大に勝つのも夢じゃない。

 

今回東大を離れたことで見えたことを、もやっとした記憶ではなくちゃんと記録して、今後改善を繰り返していけたらいいなあと思います。

レスキュー人員が足りない中、京大に行かせてくれた先輩方ありがとうございました!

 

p.s.陸マネのみんな。京大のご飯もめちゃくちゃ美味しかったけど、栄養管理が行き届いてて何より抜群に美味しい、うちの陸マネが作るご飯が1番だって心の底から思いました。海に出れるのはみんなのおかげです、いつもありがとう!!

 

新2年

仲田洋子