東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

ヨットレースはフリートレースだけじゃないよ!

2020年03月05日 01時33分34秒 | レース反省

こんにちは、クルーザー班新3年の中野です。

先週4年生の皆さんと一緒に出場した学生マッチについてブログを書かせていただきます。

ご存知の通り4年生はプレーヤーが4人しかおらず、体重的にあと2人いた方が良いということで日大理工学部ヨット部(体育会系のヨット部と別にクルーザーで活動している部活です)4年の福田さんと共にチームに招き入れていただきました。

2月上旬から月光が開催する練習会に参加したり、現役が仰秀を使っていない日に仰秀一艇で練習したりしましたが、今年の冬はド強風で出艇できないか微風で中々走れないかという日が多く、目一杯練習ができた日は少なかったように思えます。

 

レースではピットを務めておりました。個人的には、初めて乗る船への対応力は少しは上がったかなと思います。今まで乗ってきた船と艤装が違う部分が多かったものの、最初のレースから特に戸惑うこともなく動作をこなせました。

ただ逆に言えばそれは最低限できなければいけないことであり、乗せ替え等で時間がない中でそれ以上のこと(例えば荷物をマスト周りに固めて置くとか)に対応するクルー力はまだまだないなぁと感じさせられました。

レース中はタクティシャンの小野さんの真後ろで自分なりにコースを考えたりレイラインを見たりしながら、ごちゃごちゃと提言していました。的を射た発言ばかりではなく小野さんにとってみれば邪魔だったかもしれませんが、自分としては11の状況で相手に勝つ方法を考える良い勉強になりました。

スタートについても、練習開始当初は何をやっているのか全くと言っていいほど分からずただただ振り回されていましたが、11ものレースをこなす内に大まかな流れが分かってきて、次に相手艇がどう動き、自艇がどう動くべきかが僅かながら読めるようになりました。


スタートからフィニッシュまでの流れが一通り分かると、マッチレースは面白いです。スタート前やペナルティ解消が絡んだ時の動きは特に複雑に感じられますが、どの動きも「目の前の相手に如何にして勝つか」を突き詰めた結果という点では、複数の艇や得点差が絡むフリートレースよりシンプルです。

その分、一つ一つの動作や判断が如実に結果に結びつくことを実感しました。101敗で圧勝したsnipe loversとの一戦。スタートはほぼイーブン、しかも相手より右側で出る理想的な展開。レグの1/3ぐらいで相手艇がタックし、我々もスタボで前を切ってタイトカバー。のはずが、タック後に段々ゲージが広がり次の相手艇のタック直後スタボをかけられ、ディップ後にドンタックを主張してY旗を揚げるも認められず。この攻防で完全に勝負がつきました。

ミーティングではこの場面について様々な反省が出ました。そもそもフォアデッキはリーバウを打つつもりだっだが後ろに伝わっていなかった。タックのタイミングがほんの少しだけ遅くタイトカバーが甘かった。VMGが悪くても下し気味に走ればドンタックの位置をキープして連れ出せた。避ける時はディップじゃなく全力で舵を押してタックすればペナルティを取ってもらえたかもしれない。個人的に今回のハイライト的な場面です。

 

話は変わりますが、去年は3月と5月に西坂さんたちと一緒に西宮でJ70に乗せていただき、今年も塚本さんたちと学生マッチに出させてもらいました。小網代にいるとディンギー班の上級生とはどうしても疎遠になりがちですが、2年連続でこのような形で関わることができて幸運だなぁと思っています。未熟な自分を招き入れ、送り出してくれた磯野さん、春日さんには感謝しております。

来年は自分が仰秀の舵を持つつもりなので、去年や今年のように1個上の代と一緒にヨットに乗るのは難しい気がしますが(自分の引退後にそんな機会があれば是非ご一緒したいです)、再来年はとうとう同期と一緒に学生マッチに出ることになりそうです。それぞれ違う場所で、違う目標に向かって、違うヨットに乗ってきた同期と共に、お互い4年間で得たものを出し合いながら同じレースに挑む。今からワクワクしてたまりません。インカレで手も足も出ないような相手にマッチで勝てたりしたら最高ですね。マッチレースは白黒はっきりする分、勝った時の喜びは格別です。

 

少々先を見過ぎました。直近の目標だったANIORU’s cupは残念ながら中止となってしまいましたが、次なる目標である9月のイギリスワールドに向けて、今出来ることを着実にやって行く所存です。それでは。

 

東京大学運動会ヨット部

クルーザー班 新3年

中野 陽