そろそろ熱いほう

満月の中秋名月は見納めかもしれないと言って、

お父さんはよしの屋さんへ出かけるのでした、

万障を繰り合わせたかどうかは不明ですが、

無理をしてお母さんを説得していたことは知っております、




あこや貝貝柱のバター炒めでございます、

熱いのではなくて生ビールもを飲んでおります、

ついでに冷たいのも出てきました、




獅子　文六の小説「大番」のお酒でございます、

饅頭もございますがあまくてやわらかいお菓子で、

私はとても気に入っているのですが、

最近は食べる機会がありません、

シリーズで映画化されて加東　大介が牛ちゃんを演じました、

牛ちゃんの出身地がこちらでございます、

それでは偲ぶ夜ですので、

そろそろ熱いほうにしますかお父さん！

初恋を偲ぶ夜

お月さんがまん丸になってまいりました、

「今宵は中秋名月　初恋を偲ぶ夜

われら万障くりあわせ　よしの屋で独り酒をのむ」

井伏　鱒二はこうも言うのです、

「蛸のぶつ切りを塩でくれえ」、

さらには酒は冷酒なんぞではなく、

熱いのがよいと続けるのでございます、

枝豆も食べたりして、

それなりにはごきげんでございます、

われらが万障繰り合わせて独りで飲む、

というのも面白いのであります、

縄のれんの「よしの屋」に、

お父さんは行きたかったのです、

海の真ん中に船と島があります、

ここ最近お父さんがよく行っている場所のようです、

もしかしたら初恋をしているのかもしれません、

私は困ってしまいます！