私だけの秘密

蛸も手に入れることができなかったので、

公園横の農地を押し付けられてしまったお父さんは、

買い手さんを探すべく、

船に乗ってご出勤となります、

釣竿やゴルフバックは発見できませんでしたので、

ほぼ休日出勤間違いなしです、




お見送りを１０分間ほどしておりましたら、

どこからか蛸の足が一本出てきました、

食べてみたらと言っていただいたのですが、

お父さんに叱られるといけないので、

「お気持ちだけいただきます」

と言ってお家まで走って帰りました、

道中涎がずっと出ていたのは、

私だけの秘密です!

蛸が三匹

砂浜に珍しく人がいます、

こちらに向かって歩いて来ております、

手には蛸が三匹あるようです、

食べてみたかった国産の蛸、




熱い心が躍ります、

盆と正月がいっしょにやってきた、

そんなうきうきした気持ちでございます、

お座りをしてルンルンと尻尾大回転、

その人は涎も出てきている私の傍らを通り過ぎ、

「公園横の農地要らんか」とお父さんに言って、

肩をふりふりお家へと帰って行きました、

「農地は要らんが蛸が要る」とも言えないので、

私泣きます！