アルゲリッヒは一種の妖気を漂わす現代のヴィルトゥオーゾだと思ふ。SP時代の演奏家ではないが、1949年のデビュー当時の録音については一度取り上げたことがある。1981年4月13日、大阪フェスティバル・ホールでの独奏會、バッハのパルティータに始まり、アンコールに応えて弾いたスカルラッティのソナタまでの一連の演奏は息を呑む緊張の連続であった。 . . . 本文を読む
原稿締め切りには間に合わず、どんどんと遠ざかって行く締切日が気にならない時間は寝てゐる間だけだった。やうやくペンを執り机に向かって考え事をしてゐると締切日のことが気にならなくなってくる。つまり、睡魔が麻酔のやうに襲ってきて、いつの間にか寝てゐるのだ。原因は35年間吸い続けた煙草を止めたことによる体調不良である。このやうな苦悩の1週間を終え、無事、原稿を提出することができたのだった。今日は、ゆったりとした気分でミュンシュを聴くことができる。 . . . 本文を読む
原稿の締切りがあと2日に迫ってゐるが、ここ数週間全く手がつかない。締切日が近づいて来る恐怖よりも遠ざかって行くことの方がよほど恐ろしいとT学部長が言ってゐた。僕の場合は、このままいくと締切日が無くなる生活が訪れるかも知れないが、これは飯が食えなくなるといふ意味であり、もっと恐ろしい。なんとかせねばならないと焦れば焦るほど音楽が聴きたくなる。そんな訳でサンサーンスの珍しい序曲をミュンシュの指揮で聴いてゐる。 . . . 本文を読む