浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ダムロッシュのブラームス第2交響曲

2007年02月14日 | 指揮者
ワルター・ダムロッシュは一家転住で1871年に亜米利加に渡った。ブラームスより1歳年上の父、レオポルドは高名な指揮者で、紐育交響樂團の創設やオペラ劇場の運営などに貢献したやうで、過労がたたって53歳で亡くなってゐる。ブラームスの第1交響曲を初演から数年後に亜米利加に紹介したのも父レオポルドだった。 . . . 本文を読む

シューマンがホルン協奏曲を書いたのをご存知?

2007年02月12日 | 忘れられた作品作曲家
世の中には知らなくてもよい曲と、知らずにいると「幸せがひとつ足りない」といふ曲がある。ここにホルンと大オーケストラの為の小協奏曲といふ珍しい作品のレコヲドがある。演奏してゐるのは現代の人で、SPレコヲドとは無縁だが、最近、忘れられた作品を偲ぶこのコーナー(カテゴリ)も充実させたいと思ふやうになり、割り込ませてもらった。 . . . 本文を読む

パウル・パブスト「エフゲニ・オネーギンによるコンサートパラフレーズ」

2007年02月12日 | 忘れられた作品作曲家
パウル・パブストは1854年にケーニヒスブルグに生まれた洋琴弾きで、9歳でデビュー後、リストの弟子となった。1878年にはニコライ・ルビンシュタインに呼ばれ、24歳で露西亜の音楽院の教授となる。チャイコフスキーはこのとき和声学の教授として在任しており、交流があったはずである。 . . . 本文を読む

イダ・ヘンデル バッハ無伴奏提琴奏鳴曲とパルティータ

2007年02月11日 | 提琴弾き
英國に活動の拠点を置き、つい最近まで現役で演奏活動をしてゐたイダ・ヘンデルの演奏は親父が倫敦で聴いてゐる。けばけばしいいでたちで現れて派手なパフォーマンスを演じたといふ話を聞いた。積極的にコンサートライブなどをFM放送で流してゐたやうで、親父が倫敦滞在の2年間に録音したカセットテープの中にもイダ・ヘンデルのライブが含まれてゐた。 . . . 本文を読む

フリッツ・クライスラー自作の弦楽四重奏曲

2007年02月10日 | もう一つの顔
提琴家フリッツ・クライスラーが提琴の為の小品を数多く残してゐることは今さら書き立てるほどのこともない。しかし、弦楽四重奏曲といった大きな作品もあって、その作風は愛らしい小品とは少々趣を異にしてゐる。クライスラーの作曲家としての本格的な活動を垣間見ることのできるレコヲドがある。 . . . 本文を読む

ロベルト・カヤヌスの「カレリヤ」

2007年02月10日 | 指揮者
レコヲドによって出来不出来の差が大きいことで有名な倫敦交響樂團の演奏でシベリウスの「カレリヤ」を聴いてゐる。レコヲドには間奏曲と行進曲風の2曲しかないが、特に行進曲風の方は「ええもん、安いのはイズミヤ」の歌詞で有名である。カヤヌスの演奏は終始速い目のテンポ設定で写真の表情どおり厳しい表現である。 . . . 本文を読む

コルンゴールドの提琴協奏曲

2007年02月10日 | 忘れられた作品作曲家
学生時代の友人Tは医学生だったが提琴を嗜み、ハイフェッツを愛する音楽愛好家でもあった。今頃はどこかの病院で人様の命を預かってゐるのだらう。当時音楽学生で、人様の命を危うくする仕事をしてゐる僕とは大違いだ。コルンゴールドといふ作曲家を知ったのは、友人Tから借りたハイフェッツ全集のLPアルバムを聴いたときだ。 . . . 本文を読む

チェルビダッケORTFによる 「ロメオとジュリエット」

2007年02月10日 | 指揮者
1975年のある日、FM放送でチェルビダッケとアルゲリッヒのシューマンの協奏曲をやるといふことで、留守録音をお袋に頼んだ。ラヴェル「道化師」、プロコフィエフ「ロメオ」が同じ日のプログラムに取り上げられていて、併せて放送された。しかし、帰宅するなり冒頭部が録音できなかった、といふショッキングなことを聞かされ、僕は暴れた。 . . . 本文を読む