梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

仲春稽古場便り・2

2010年01月29日 | 芝居
『俊寛』は<総ざらい>で、『口上』は<初日通り舞台稽古>、『ぢいさんばあさん』『籠釣瓶』は<附立>でした。

『ぢいさんばあさん』に携わりますのは初めてでございまして、腰元役につきましては、4人出るうち他の3人が経験者でしたので段取りなどを伺い、記録ビデオも拝見して準備いたしました。あっという間の出番なんですが、私は大和屋(玉三郎)さんがお勤めになる“るん”に、お褒め状を手渡す仕事がございますので、所作には重々気をつけて、ご迷惑にならないように勤めたいと思います。

『籠釣瓶』は何度も新造役で“道中”には出させて頂きましたが、今回は続く「立花屋見世先」「兵庫屋縁切り」にも出る八ッ橋付きということで、これまた初めて勉強させて頂きます。先輩方がお勤めになっていた様子はなんとなく覚えていたものの、師匠が栄之丞をお勤めのときは、裏の用事もあってなかなか舞台面を拝見する余裕もなく、やはり経験者のお話と映像をたよりにお稽古に臨みましたが、度々申すことながら、段取りだけを知っていても、その場の雰囲気、流れをしっかり呑込まないうちは、「わかった」うちには入りません! 今日の反省を乗り越えて、明日からが勝負です!

本日<顔寄せ>もございましたが、当月は紀伊国屋(澤村藤十郎)さんのご一門の澤村国久さん、澤村國矢さんが揃って名題披露なさいますので、その御挨拶もございました。勉強会等で度々お世話になりましたお二人のご昇進、本当に嬉しいです。心よりお祝い申し上げます!