梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

立つ鳥後を濁さず、で

2010年01月11日 | 芝居
楽屋入りしましたら、名題下部屋に張り紙がしてありまして、
『歌舞伎座改装にともない、楽屋に保管している荷物類は責任を持って撤収及び処分すること』
という旨のお達しでした。

国立劇場も新橋演舞場も、コクーンや浅草公会堂だってあるけれど、御園座南座松竹座、金丸座だってあるけれど、やはり歌舞伎座は私たちにとってのホームグラウンドでございます。それゆえに、楽屋棟のあちこちに、“自分の荷物”があるものなのです。
よその劇場に出演するときも、そこからその月いるものだけ持っていったりね。
そんなことができるのも、あと3ヶ月ということですか…。いよいよ<歌舞伎座さよなら>を実感してまいります。

以前ご紹介しました、尾上多賀之丞さんの姿見や、自由に閲覧できる数十年分の『演劇界』のバックナンバーなど、個人のものではない貴重な品々はどうなるのでしょうか? ちょっと心配です。
トランクルームを借りるったって、年数が結構かかりますからねぇ。費用とか責任の所在とか、現実的な問題も色々ありましょうし…。

それにしても、3月4月の狂言立てはまだかしら~?