『七段目』に仲居で出させて頂くのは2回目なのですが、前回は高麗屋(幸四郎)さんの由良之助、今回は松嶋屋(仁左衛門)さんの由良之助。同じ演目でも、台本から段取りから演出、小道具や衣裳まで、それぞれのなさり方に違いがありますのが、なんとも面白いですね。
主演なさる方の、その時々のご意向もありましょうから、「型」というほど絶対的なものとは言い切れないと思いますが、西と東の「風(ふう)」のようなものは、出させて頂いてもなんとなくですが感じるものがございます。
仲居に関することだけみても、由良之助の出となる〈めんない千鳥〉の囃し声も、東京ですとたいてい「由良鬼ゃまだァえ」ですが、今回は「由良鬼ゃまたいな」です。そのすぐあとの、三人侍へのからかいの文句も、東京は「お獅子はどこじゃ」を繰り返すだけですが、「お獅子はどこじゃ 太鼓はどこじゃ」の繰り返しになるのです。
衣裳は二つ巴の着付にかわりはありませんが、東京は小振りな"柳"結び、関西は"角出し"。緋縮緬の前掛も、関西では下が二つに分かれている"二巾(ふたはば)"を使うことが多く、今回も同様です。
シンの役々のことまで話したら切りがないくらいですが、お客様には、今後ともそれぞれの舞台を見比べて頂き、双方の魅力と趣を味わって頂きたく存じます。
…なんのかのと書き連ねてしまいましたが、仲居というお役も、堅くてもいけず崩れてもいけず、本当に難しいです。こういう雰囲気は、焦ったところで身に着くわけでもございませんが、先輩方に少しでも追いつけるよう、努力してまいります。
主演なさる方の、その時々のご意向もありましょうから、「型」というほど絶対的なものとは言い切れないと思いますが、西と東の「風(ふう)」のようなものは、出させて頂いてもなんとなくですが感じるものがございます。
仲居に関することだけみても、由良之助の出となる〈めんない千鳥〉の囃し声も、東京ですとたいてい「由良鬼ゃまだァえ」ですが、今回は「由良鬼ゃまたいな」です。そのすぐあとの、三人侍へのからかいの文句も、東京は「お獅子はどこじゃ」を繰り返すだけですが、「お獅子はどこじゃ 太鼓はどこじゃ」の繰り返しになるのです。
衣裳は二つ巴の着付にかわりはありませんが、東京は小振りな"柳"結び、関西は"角出し"。緋縮緬の前掛も、関西では下が二つに分かれている"二巾(ふたはば)"を使うことが多く、今回も同様です。
シンの役々のことまで話したら切りがないくらいですが、お客様には、今後ともそれぞれの舞台を見比べて頂き、双方の魅力と趣を味わって頂きたく存じます。
…なんのかのと書き連ねてしまいましたが、仲居というお役も、堅くてもいけず崩れてもいけず、本当に難しいです。こういう雰囲気は、焦ったところで身に着くわけでもございませんが、先輩方に少しでも追いつけるよう、努力してまいります。