梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

『大老』稽古場便り・6

2008年10月02日 | 芝居
<初日通り舞台稽古>。
約9時間かかりました…。

大道具、照明、音響のチェックと変更、実寸の舞台での諸役の動線、段取り作り。ある意味当たり前の所用時間かもしれませんね(むしろ早い方か?)。
国学者長野主膳を演じる師匠も、小道具、衣裳などを改めて吟味し、演出の織田紘二氏とご相談なさいながら今日の舞台を演じていらっしゃいました。

私が出させて頂きます3幕目のパーティー場面も、やはり実際舞台に立ってみますと、稽古場とはだいぶ勝手が違いました。それゆえ、うまく対応しきれないところもあり、これは明日もう1回の舞台稽古(稽古着での素稽古)で、しっかり固めたいと思っております。
5幕目、いつもの<雛祭り>の場面は、経験もある場面ですのでなんとか大過なく勤まりましたが、歌舞伎座よりも間口が広く、装置も若干変わっているので、やはり段取りが変わる点もあり、これもまだまだこなれないところもありました。他の腰元役のみんなが、同期であれ後輩であれ、ごくごく世代の近い人たちですので、遠慮なく話し合うことができ、“まとめる”という意味では本当にやりやすいので助かります。誰がリーダーになるとか、主導権を握るとかいう話ではない、みんなで作る、という意味で…。

もう1回、しっかりお稽古!
平成の『大老』は完成間近です!