タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

こんな所でノスリノ渡り(?)が、、、、、

2008年03月22日 | タカの渡り観察
こんな所でノスリの渡り(?)を見ました

 今日のタカ長は山歩き。行き先は山口県徳山の沖にある大津島。この山にある鬣山(たてがみやま)と大津山(砲台山)を歩き、人間魚雷「回天」の戦争遺跡を見学することが目的でした。



 徳山駅前の港から船で20分、馬島港で下りると菜の花が迎えてくれます。海の特別攻撃隊「回天」が南の戦場に向けて死の旅に出た出撃基地は今もその面影を残しています。



 鬣山(163m)の中腹のサクラは咲き始めていました。向こうの海は周防灘で、その先が国東半島の方向です。ノスリはこの写真の左にあるもう少し高い山の上から現れて北方向へ流れていきました。



渡りの話です

 さて渡りの話です。馬島港を下りて最初に鬣山に登りました。近くではたくさんのトビが飛んでいました。山頂直前、そのトビに混じって帆翔して山の向こうに消えたのは確かにノスリ。そして頂上で休んでいると山頂の南側から2羽のノスリが現れました。そしてまたノスリ。頂上の上20mくらいを飛ぶもの、東側を目線より低く飛ぶノスリなど、頂上で5羽が北方向に羽ばたきながら流れていきました。時間は10時10分。

 鬣山の北にある砲台山は視界がいまいちで、頂上で食事中も空を注視していましたが見えるのはトビばかりで、ノスリを確認することが出来ませんでした。しかし、下山を始めると1羽のノスリが北方向に流れているのに出会いました。

 山頂から下りて海岸沿いの道に出たとき、目の前の海の上を30mくらいの高度で羽ばたきながら2羽のノスリが飛んでいました。馬島港へむけて歩きながら見ると尾根の上を飛んでいるノスリもいました。馬島港に帰って南側の小さな山の上を見ていると、3羽のトビと帆翔していた1羽のノスリが私の頭の上を流れて来ました。

 以上は10時過ぎから14時過ぎまでのことです。今日見たノスリ、7回13羽の流れた方向を地図に描いてみると見事に同じ方向を向いています。南北に長い大津島を縦断する方向です。1羽2羽なら居つきのノスリかも分かりません。しかし、小さな島の南半分で13羽のノスリを見、それがみな同じ方向に流れていったのですから、これらはすべて渡り個体だと判断するほうが自然だと思えました。

 これらのノスリは何処から入ってくるのか?それは確認していません。この島の南側は周防灘の広い海しかありません。その南は大分県の国東半島です。
 私が観察したのは大津島を北方向へ流れていくノスリです。そのノスリが国東半島から渡ってきたのだと断言は出来ませんが、ノスリの飛来方向の先にある陸地は国東半島だということは地図を見れば分かります。

 国東半島から北東に上関方面に渡るノスリの存在は聞いたことがあります。今シーズンも皇座山で1羽の渡りが記録されています。
 しかし、国東半島から北に渡るタカの記録の存在を私は知りません。

 出発前、国東半島⇒上関ルートから大きく外れているのでノスリの渡りを期待しながら、正直なところはほとんどあきらめていました。しかし、間違いなく13羽のノスリが大津島の上を同じ方向に流れていったのは事実なのです。

 思わぬところでのノスリとの出会いでした。