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北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

一位は・・・・・

2023-10-13 21:35:01 | 日記
港にクルーズ船が入ると市からのLINEで知った。

新コロナの影響で大型客船の入港は止まっていたので、私の記憶に間違いが無ければ大型船の入港は今年に入って2隻目だ。

指定された場所に車を置き、聳え立つ巨船を見上げた。

実は船を見るために外出したのではない。これは「ついで」だ。

本来の目的は市内のギャラリーで開かれていると云うフォトジャーナリスト長倉洋海さん主宰の塾生8人による写真展。
有名な方らしいが、長倉洋海さんを知らないし塾生と云うからには素人集団なのかも知れない。

ギャラリーは古書店の二階にあった。
受付にいた女性に「お邪魔します」と挨拶して展示されている写真を端から拝見する。

書道や絵画はさっぱりだが、一応一眼カメラを持って国内旅をしたので「見る目」はあるとド素人の私は自負している。撮る技は乏しいけれど。

私が絶対に行くことの無いモロッコやイスタンブールの青い建物。
何処の海岸だろうか、深い足跡がグニュグニュと沢山残っている不思議な海岸に見入ったが何故水平線を中央にしたのだろうと疑問。
私なら主役を足跡にして水平線を画面の上にするのに・・・・・・なんて思う。

キラキラと云うよりギラギラ輝く波はドンピシャの露光だが、故意にだろうか水平線が少し斜めだ。

樹の中に巣があるのだろう。縦長の割れ目から一列に顔を出している4羽の幼鳥を撮るのは大変な時間と根性が必要だったに違いない。

お礼を言って階段を下りようとした私に「お気に入りの写真はありましたか?」と受付女性の声。

私は引き返し迷うこと無く指さしたのが当然選ばれるであろうと思う4羽の幼鳥の横に並んでいたワンコの写真。
これが「ダントツの一位です」と云った途端、彼女の悲鳴が上がった。

ワンコを真横から撮った珍しい構図ながら上を見上げている姿からは神々しさを感じます。まるで稲荷神社のお狐様のように。
前方からの風に金色に輝いているように見える美しい毛並。
目を細めて誰かに話し掛けているようにも見える。

多分金色に輝かせている見えない何かが前にいるのかも知れない。

「単にワンコが可愛いだけじゃなく、色々なことを想像できる素敵な一枚だと思います」と云った途端、彼女は口を手で覆い、「実はこの写真を撮った女性は今回出したくないと云ったのですが無理して一枚だけ選んでもらったのがこの写真なんです」と今にも泣き出しそうな笑顔。

「是非ノートに感じたことを書いてあげてください」と云われ筆無精で悪筆の私は素直な気持ちを綴った。

「撮った彼女に必ず伝えます」とお礼を言われ階段を下りたのだが、連絡先を書けば良かったかなぁ・・・・・・と後悔したのは信号を渡ってから。

連絡先が書いてある手製の名刺を渡しても良かったなぁ・・・・・・とも思った。
あの10枚集めればジェームスと握手できると書いたことのある名刺を。