国内外に害悪を撒き散らした鳩山首相であったが、唯一評価できる点は小沢幹事長と刺し違いで、果てたことだけである。
「県外・国外」を最後まで叫び続けながら、最悪の形で「普天間移設」の5月末決着をつけ。 最悪というのは「辺野古決着」から逆戻りし「普天間基地」の継続使用の可能性が限りなく大きくなったからだ。
日米合意には次の文言がある。
《普天間飛行場のできる限り速やかな返還を実現するために、閣僚は、代替施設の位置、配置及び工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも10年8月末日までに)完了させ、検証及び確認を次回のSCCまでに完了させることを決定した。》 (日米共同声明全文)
鳩山首相は当初「日米共同宣言」には「辺野古」を明記しないつもりであったが、米側の強硬な態度にやむなく辺野古を明記させられたという。
米側の「現行案通り」という態度をを鳩山首相は最後まで楽観的視していたことになる。 沖縄タイムスによると、米側の妥協を許さぬ強硬な態度に、一時は平野長官が逆切れし「日米安保破棄」といったことを口走り、それに首相も同調しかかったシーンもあったという。
「5月末決着」は、首相が事態を甘く見た結果、自らハードルを高くしたわけだが、
今回の「日米共同声明」の「代替施設の位置、配置及び工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも10年8月末日までに)完了させ」の文言は、アメリカ側の強力な要請によるものと考えられる。
鳩山首相に火をつけられ油まで注がれた「沖縄の民意」が、これを容認するはずはない。
「県外がベストだが辺野古も容認」の態度だった仲井真県知事も、事ここまで至っては、今さら「辺野古容認」とは発言し難い状況に追い込まれている。
このような最悪の状況で「「代替施設の位置、配置及び工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも10年8月末日までに)完了させ」は事実上実現不可能な条件である。
現在、首相後任は菅直人副総理の名が囁かれているが、このような状況では、誰が首相になっても、辺野古決定の諸手続きを8月末まで完了させることは出来ない。
鳩山首相の判断をこれほどまで狂わしたのは、「沖縄の民意」という魔物に取り憑かれたからだと書いた。
外相就任当時は鳩山首相と同じく「国外・県外」を叫んでいた岡田外相も、同じく魔物に憑依していた。
だが、昨年の10月ゲーツ米国務長官が来日し、米軍基地の抑止力等々安全保障の基礎学習を受けた成果で、一足先に魔物の憑依から覚醒し、首相に諫言した。 だが、時既に遅く、首相は聞く耳を持たなかったという。(田原総一郎談)
以後、岡田首相は「沖縄の心」を代弁するかのように「グアム移説」を主張する伊波宜野湾市長に対し、とりあえず「世界一危険な基地」の緊急避難に辺野古容認を求めることになる。
岡田克也公式ブログ 2009年12月7日
《この問題は、大臣就任当初から日米間で議論を続けてきました。現在、人家が密集しているなかにある普天間基地。滑走路の延長線上には、小学校もあります。この危険な状況を一刻も早く何とかしなければいけない。そのために移転をする。(略)》
鳩山内閣の判断を狂わした「沖縄の民意」は、何故魔物と呼ばれるか。
沖縄二紙やプロ市民団体から発せられる「民意」があまりにも実態をかけ離れているが、左翼団体が仕掛ける「県民大会」等で、時折ごく普通の県民までが「瞬間風速的」に巻き込まれる場合があるからである。
左翼集団は今回、普通の県民を巻き込むため、次の作戦を取った。
「一応は日米安保を容認する素振りを見せ、普天間基地の海兵他を「有害無意味な集団」と決めつけ、「海兵隊を県外・国外へ」というキャンペーンを張る。」
日米安保を容認する一部の善良な県民がこれに同調したが、結局「普天間移設反対」がいつの間にか「米軍基地反対」へすり替えられてしまったことは周知の通りである。
このような沖縄の実情を伝えるはずの地元2紙が、これらの「不都合な事実」(左翼団体指導の沖縄の民意)を伝えるどころか、
逆に針小棒大に煽ったため仲井真県知事もやむなく「県民大会」に出席させられたというのが真相である。
秋の知事選に再選を狙う知事としては、ここで沖縄マスコミを敵には回したくないという苦渋の出席だったようだ。
本土各紙も沖縄タイムス、琉球新報が扇動する「沖縄の民意」を横並びで報じるが、唯一産経新聞那覇支局長の宮本支局長が沖縄二紙の呪縛を乗り越えて「沖縄の民意」の実態を報道している。
それがこれ。
普天間 県内移設 怒る沖縄「首相うそ」「予想通り」
5月29日7時57分配信 産経新聞
米軍普天間飛行場の移設問題で、日米両政府が28日、共同声明を発表したのを受け、沖縄各地では同日夜、抗議集会が開かれた。「落ち着くところに落ち着いた」「普天間の危険除去が進み、米軍基地の縮小につながる」とする声がある一方で、実現を困難視し、鳩山由紀夫首相に対する責任追及の声も広がった。
[フォト]首相また県民感情逆なで 本土復帰「27年」と言い違え
名護市で開かれた緊急市民集会では、住民の一人が「選挙民との約束がウソ偽りだったときょう明らかになった」と訴えた。また那覇市の県庁前では、参加者が「怒」と書かれた紙を手に「辺野古移設は許さない」と抗議の声をあげた。
普天間移設問題では、当初、反米軍基地闘争を展開していた活動家や市民グループが反対闘争を激化し、世論を引っ張ってきた。4月25日に開かれた県民大会への参加は反米、反基地闘争を展開するグループがほとんど。一般の県民に波及していなかった。これが、民主党政権の判断がキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)に傾くに従い、反対運動の形態が大きく変わった。
ある県会議員は「県民の大半も国外・県外はありえないと感じていたが、鳩山首相は裏付けのないまま期待を持たせ、簡単にほごにした」と指摘した上で「首相が県内移設を言うようになってからは一般県民のマグマをも動かしてしまった」と話した。
約束を守らなかった鳩山首相の“裏切り”が県民の怒りを招いたのだ。
困惑も広がる。「(結果は)基本的には予想通り」とする財界関係者は「本心では賛成だが、県内情勢をみると賛成とは口に出せない」といい、「経済援助の条件闘争という声もあるが、今は条件面の話し合いをできる状態ではない。それをすると、県民から沖縄を売ったと批判される。自分の意見を言えなくなっている」と説明した。
また、保守系議員は鳩山首相の議員辞職を最低条件にあげ、「責任を取ろうともしない民主党政権は言語道断。普天間問題の早期解決には今こそ原点に戻って防衛議論を重ね、県民に理解を求めるべきだ」と訴えた。
迷走を重ねた鳩山首相と民主党政権。改めて、沖縄県民から「あいくち」を突きつけられている。(宮本雅史)
◇
因みに産経新聞那覇支局は昨年一年で、支局長が三人も入れ替わった。
前任の前田支局長が、タブーを破って沖縄の「不都合な事実」を記事にしたため那覇記者クラブから村八分に遭ったが、後任の宮本現支局長も前田前支局長に負けぬ熱血漢で就任以来「地元紙が報じない沖縄の真実」を報道している。
産経新聞と地元紙の軋轢については次のエントリーで述べてある。
⇒続・スパイ活動は平和活動!産経記者が言論封殺の犠牲?!全体主義の恐怖
鳩山首相は「沖縄の民意」という魔物に取り憑かれた結果、判断を大きく誤った。
だが、支払った授業料は大きかったが、「米軍基地撤去」の奥に潜む「自主防衛」に目覚めたことは大きな収穫であった。
首相辞任の弁に次くだりがある。
私はつまるところ、日本の平和、日本人自身で作り上げていくときを、いつかは求めなきゃならないと思っています。アメリカに依存し続ける安全保障、これから50年、100年続けていいとは思いません。そこのところもぜひ、みなさん、ご理解をいただいて、だから鳩山が何としても、少しでも県外にと思ってきた。その思い、ご理解を願えればと思っています。その中に今回の普天間の本質が宿っていると、そのように思っています。いつか、私の時代は無理でありますが、あなた方の時代に日本の平和をもっと日本人自身でしっかりと見つめ上げていくことができるような、そんな環境をつくること。現在の日米の同盟の重要性はいうまでもありませんが、一方でそのことも模索をしていただきたい。
だったら、もっと明確に、米軍基地を全面的に国外に撤去し、日本だけの自衛能力を保持すべく、憲法改正や自衛隊の国土防衛軍への昇格・の強化をまず主張せねばならぬ。
ところが沖縄二紙や左翼団体が煽動する「民意」は護憲・反安保である。
従って憲法9条がある現段階での米軍の軍事力に頼らない、つまり米軍基地の全面撤去という選択肢は無い。
仮に鳩山首相のいう「自主防衛」が成功し、国軍に昇格した自衛隊が米軍基地の跡地に駐留する事態になっても、沖縄二紙が煽る「沖縄の民意」は「軍事基地反対」と叫び続けるであろう。
【おまけ】
全体主義の島沖縄で「異論を述べる」と怒り狂うのがサヨク勢力の特徴であるが、沖縄版言論封殺魔こと目取真俊センセも「不都合な真実」を暴露され怒り心頭のご様子である。⇒産経新聞による事実歪曲
【おまけ】2 「沖縄の声」や「辺野古の声」を騙る、サヨク活動家・安次富浩氏
「沖縄の声」を騙る左翼活動家・安次富浩氏
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本土マスコミが現地へ飛んで「沖縄の声」というと必ず顔を出す人物と、「辺野古の声」といえばテント村から必ず顔を出す「現地の人」はいつも御馴染みの同じ人物。
この八面六臂で大忙しの人物はサヨク活動家・安次富浩氏である。(上記写真)
この人物はありとあらゆるマスコミにに顔を出して「沖縄の声」や「辺野古の声」を自称しているが、良識ある県民は誰も相手にしていない。
これも「沖縄の民意」が魔物と言われる所以である。
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