「福男選び」の神事がニュース番組で放送されます。
その度に思っていたことが、「1番を取った人の1年ってどうなんだろう?」
そこで、こんな記事をご紹介します。
記事(2016年1月31日 gooニュース)によると
『商売繁盛を祈願する「十日えびす」にあわせ、西宮神社(兵庫県西宮市)で毎年1月10日早朝に開かれる神事「福男選び」。本殿への参拝一番乗りをめざし、開門と同時に境内をダッシュする場面が有名ですが、晴れて福男になった人はその後、どんな1年を過ごしたのでしょう。
福男選びは江戸時代ごろ、自然発生的に始まったとされる神事。西宮神社によると、1940年ごろから、本殿に到着した上位3人を、「福男」として認定してきました。
全国に知られるようになり、今年の参加者は約6千人。混乱を避けるため、午前6時の開門を門の前で待つことができる先頭集団(108人)はくじ引きで決めています。
実はこのくじを引くとき、福男に選ばれたら西宮神社の行事に出席することを約束する「参加心得」に署名をしなければいけません。福男には、この誓約に基づく仕事が待っているのです。
昨年の「一番福」、西宮市鳴尾町1丁目の摂南大学生、志和智徳(しわとものり)さん(20)に話を聞きました。
志和さんは昨年、神社のもちつき(2月)、御輿屋(おこしや)祭(6月)、西宮まつり(9月)に参加。時代装束をまとって商店街を練り歩いたそうです。
それだけではありません。「心得」の署名とは無関係ですが、受験生を応援する企業の催しに招かれたり、人気アイドルグループ「嵐」のイベントにゲスト出演して一緒に走ったりしたことも。「貴重な体験ができたことが『福』でしたね。人見知りも克服できました」
プライベートの運気はどうだったのでしょう。
「悪いこともありましたよ」と志和さん。通学定期券を4度紛失。恋人との別れもあり、「中学以来、初めてクリスマスを1人で過ごしました」。
一方、11月にあった親戚の結婚式では、福男の黄色い法被で乾杯の音頭をとり、会場は大盛り上がり。無事に出産を終えた大学のゼミの担当教員からは「志和君のおかげで福がきた」とお礼を言われました。「僕にとっては福男になれたことが一番の『福』。周りの人も喜んでくれたし、言うことない1年でした」
今年、新たな福男が決まり、少し寂しい気持ちもあるそうです。「みんなに福を届けられる、元福男であり続けたい」と思いを語ってくれました。
ちなみに、志和さんは今年も福男をめざしました。深夜零時のくじ引きに参加するため、寒さの中、午後8時から4時間、並びました。ところが「心得」の署名欄に住所を記入し忘れ、くじを引くことすらできなかったそうです。』