TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

先立つ幸福

2013-03-26 05:19:42 | カナダ話題
今の世の中、先に死んだ方が勝ち。

今日のヨガクラスの奥様方は、私より年配でみな60代。
そのうち二人は、夫に先立たれて一人暮らしである。

Valは、息子が車で30分のところに家族と住んでいる。
一人になってしまった彼女のために、その息子は新築の一軒家を買ってやった。日本風にいうと40坪ほどの、小ぶりな家であるが、一人暮らしにはちょうどいい。

Ericaは夫の死後、女一人では大きな家の手入れが大変だからコンドミニアムへ移ろうとした。が、当時は大型犬を飼っていた(コンドは小型犬しか入居できない)。長年かわいがった犬を、手放すのは不憫だ。そこで、新興住宅街の小ぶりな平屋が建ったのを購入して数年になる。

二人とも亭主がいなくなって骨を伸ばしてるのかと思いきや、「トシとってからの一人暮らしは、もう大変!」とこぼす。

庭の手入れをしようにも、関節炎がひどくなって剪定バサミを持つ手に力が入らない。白内障が悪化し、車の運転が難しくなってきたから、通院にも買い物にも誰かに頼んで運転してもらうか、タクシーを呼ばないといけない。息子や娘だって自分達の家族があるから、そうしょっちゅう呼び出すわけにもいかない。また年寄りをターゲットに、いろんな押し売りが来る...

私が前に住んでいた豪雪地帯では、お年寄りには冬の雪かきが大変な負担だった。除雪機が使える程度の雪ならいいが、市の除雪車が吹き上げ積み上げていった2メートルほどの高さの雪の壁は、若い私達だってかたずけるのが難儀。夏は夏で、芝生の手入れが負担となる。

このためにカナダのお年寄りは、快適な庭付き一戸建てを売却して老人専用のストラータやコンドに移ってゆくのである。トシをとったら、どんどん人生先細りだ。

それでもまだ夫婦二人で暮らしている間はいい。どちらかに先立たれてしまったら、不便なことが山ほど出てくる。

私は常々、夫より先にあの世へ行きたいと思ってきた。葬儀とか面倒な死後の事務手続きなど一切を、彼にやってもらいたいからだ。逆はまっぴら御免である。彼にもそう宣言している。そのために夫の健康管理に気を配り、愛妻弁当を毎朝持たせているのだ。彼の方が長生きしてくれないと、計画が台無しだもの。

「私の生命保険金がおりたら、前から欲しいって言ってたポルシェ買って若い女の子ひっかけて、好きに暮らしてね」と、夫には言ってある。

今日の奥様方の話を聞いて、私の考えが正しいと立証できた。
先立つのは決して不幸ではなく、むしろラッキー。
人生、初めにフィニッシュ・ラインを越す者が勝ちとなるのだ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パピー芸 | トップ | Mull Of Kintyre »
最新の画像もっと見る

カナダ話題」カテゴリの最新記事