たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

刀と鏡

2016-06-15 10:30:12 | 東日本・三陸の神社

<香取神宮 かとりじんぐう>

 

鹿島神宮が布都御魂剣を模倣した直刀を所有するように、

香取神宮にも「海獣葡萄鏡(国宝)」という名の神鏡が伝わります。

本来であれば、刀剣の神そのものを祀る香取神宮に、

刀のご神体があるほうが自然ですが、どういった経緯か、

直刀は鹿島神宮の所有となり、香取神宮には鏡が置かれました。

 

古くから香取神宮の周辺は、下総物部氏の一大拠点でして、

もともとは香取神宮も物部氏が管理していたのでしょう。

鏡というのは、言わずと知れた天照太御神の象徴であり、

鏡をご神体と仰ぐことは「朝廷への帰順」を意味する面があります。

伊勢の内宮・外宮と同じようにこの地でも、

土着の神と朝廷の神との入れ替えが行われたかもしれません。