***** 子年の展望 No.67 *****
ご存知のように、大神神社は一般的な
神社とは異なり、ご神体である「三輪山」
を直接拝むような配置になっております。
通常、参拝者が手を合わせているのは、
本殿ではなく拝殿の前でして、
その奥には「三ツ鳥居 (みつとりい)」と
呼ばれる珍しい形の鳥居が控えているのです。
何でもこの三ツ鳥居は、
三輪山と拝殿とを区切る場所に立っているそうで、
本殿に代わる建造物として神聖視されてきたとのこと。
もしかすると、先日からご紹介しております
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味酒(うまざけ) 三輪の殿(との)の
朝門(あさと)にも 押し開かね
三輪の殿門(とのど)を
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という歌に登場する「門」こそが、
この三ツ鳥居を示しているのかもしれません。
創建当時の大神神社には、
現在のような社殿は存在せず、
三輪山の遥拝所のみが設けられていた
はずですから、その目印として三ツ鳥居が
置かれた可能性もあるのでしょう。
つまり、崇神天皇が目撃した厄除けの策とは、
この三ツ鳥居に関することだった
とも考えられるのですね。