***** 子年の展望 No.63 *****
崇神天皇の命により、酒造りを完成させた
高橋活日命は神酒を献上する際、
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此の神酒は わが神酒ならず 大和成す
大物主の醸(かみ)し神酒 幾久(いくひさ) 幾久
訳:この酒は私の酒ではなく、
倭の国を造った大物主が醸造した神の酒です。
いつまでも、いつまでも栄えますように
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という歌を詠んだそうです。 それに対して崇神天皇は、
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味酒(うまざけ) 三輪の殿(との)の
朝門(あさと)にも 押し開かね
三輪の殿門(とのど)を
訳:美味い酒のある三輪神社の社殿で夜通し酒を飲み、
朝になったら三輪の社殿の門を押し開いて帰りなさい
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という歌を返されたとのこと。
これだけ見ますと、何とも楽しげな宴会
でのやり取りのようにも感じられますが、
このときの酒宴は「神事」でもあったのでしょう。
「大物主神」を称える内容を高橋活日命が詠み、
「大物主神」の霊威を慰める呪文を
崇神天皇が唱えたのかもしれません。
そして、崇神天皇が最後に詠んだ
「押し開かね三輪の殿門を」という文句こそが、
疫病から身を守るための秘策だったと思われるのです。