たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

崇神天皇の歌

2020-03-26 09:51:00 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.63 *****

崇神天皇の命により、酒造りを完成させた

高橋活日命は神酒を献上する際、

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此の神酒は わが神酒ならず 大和成す
 大物主の醸(かみ)し神酒 幾久(いくひさ) 幾久


訳:この酒は私の酒ではなく、
倭の国を造った大物主が醸造した神の酒です。
いつまでも、いつまでも栄えますように

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という歌を詠んだそうです。 それに対して崇神天皇は、

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味酒(うまざけ) 三輪の殿(との)の
 朝門(あさと)にも 押し開かね
 三輪の殿門(とのど)を


訳:美味い酒のある三輪神社の社殿で夜通し酒を飲み、
朝になったら三輪の社殿の門を押し開いて帰りなさい

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という歌を返されたとのこと。

 

これだけ見ますと、何とも楽しげな宴会

でのやり取りのようにも感じられますが、

このときの酒宴は「神事」でもあったのでしょう。

「大物主神」を称える内容を高橋活日命が詠み、

「大物主神」の霊威を慰める呪文を

崇神天皇が唱えたのかもしれません。

そして、崇神天皇が最後に詠んだ

「押し開かね三輪の殿門を」という文句こそが、

疫病から身を守るための秘策だったと思われるのです。

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