たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

祭祀者の選別

2020-03-18 09:44:31 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.55 *****

崇神天皇の「疫病対策」を考察する中で

感じたのは、天皇祭祀というものがいかに、

「天津神」と「国津神」だけでなく、

その地ゆかりの神々をも含めた

すべての神のバランスを取ることを、

絶対条件としているかということでした。

 

本来であれば、今も昔も天皇自身が

祭祀を取り仕切るのが筋なのでしょうが、

この崇神天皇の時代に、宮中の神々がバラバラに

離散した(せざるを得なかった)結果、

後の世の「災厄への対策」が

難しくなった側面もあるのだと思います。

 

と同時に、このときに宮中の神々を

「それぞれの祭祀者」へと一任したことで、

天皇祭祀に不具合が生じた場合の

バックアップ体制が整ったとも言えるのでしょう。

 

しかしながら、各地の神社を

巡っていて時折気になるのは、

「国津神」をお祀りする宮司家の多くが、

長い時代の中で「天津神」の系統に

代わっているということですね。

もちろん、神社側に非があるわけではないものの、

「疫病」という災厄を抑えるための秘策が、

「祭祀者の選別」であるならば、

このような傾向は少々気がかりなところかもしれません。

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