***** 子年の展望 No.66 *****
一昨日、崇神天皇が詠んだ
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味酒(うまざけ) 三輪の殿(との)の
朝門(あさと)にも 押し開かね
三輪の殿門(とのど)を
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という歌を元に、お酒(アルコール)
の効用について記しましたが、気になるのは
「三輪の殿 朝門 押し開かね三輪の殿門を」の中で、
繰り返し登場する「門(と)」という言葉かもしれません。
一般的にこれらの歌は、
「美味い酒のある三輪神社の社殿で夜通し酒を飲み、
朝になったら三輪の社殿の門を押し開いて帰りなさい」
といったニュアンスに訳されます。
ただし、天皇が詠む歌と言いますのは、
ある種の「呪文」でもありますから、
単純にその場の情景を詠んだわけではないのでしょう。
恐らく、神官である大田田根子の神事を
目の当たりにした崇神天皇は、
大田田根子の所作から疫病対策の
ヒントを得たのだと思われます。
つまり、「お酒(薬)」と「門(と)」
の組み合わせこそが、
災厄を祓うための重要なヒントとなりそうなのです。