***** 子年の展望 No.62 *****
古来より、「卯」の字は甘酒、
「酉」の字は酒壺を意味する漢字で、
酒造りは「卯の日」に始まり、
「酉の日」に完了する習わしがあると聞きました。
酒の神様として知られる京都の松尾大社では、
稲刈りが終わり新米ができる11月最初の「卯の日」に、
「上卯祭(醸造祈願祭)」と呼ばれる
酒造りの開始を告げるお祭りを、
そして4月の二番目の「酉の日」には、
醸造完了を感謝する「中酉祭(醸造感謝祭)」
を執り行うそうで、調べてみたところ
大神神社で行われる醸造安全祈願祭(酒まつり)も、
11月の「中酉の日」のようです(明記はされておりません)。
11月の酉の日と聞きますと、
各地で行われる「酉の市」が思い浮かびますが、
「卯」だけでなく「酉」に関しても、
酒造りを示す干支であるとすれば、
両者とも「疫病」とのつながりが
にわかに気になってまいりますね。
以前書いたように、「酉」は
災害を意味する文字でもありますし、
「卯」と「酉」が深く関与する「酒」、
そして「大神神社」には、まだまだ
私たちの知らない「陰の歴史」が
秘められているのかもしれません。