天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

夜の釜の蓋が開く

2017-01-23 20:21:24 | 
闇が深い夜

そんな夜は

幼い自分が顔を出す

無力で

無垢で

常に

怯えてた

常に

伺っていた

愛されたいのに

愛されていると

感じることがなかった

幼い日々

(本当に

愛されなかったのか?

それとも

単に

甘やかされなかっただけなのか?

今となっては

わからないこと)

膝小僧を抱え

上目遣いの

陰気な子供

けれど

私は

愛されたかった

抱きしめられたかった

暖かいおうちで

美味しいものを食べて

柔らかなお布団で眠って

それでも

私は

愛されたかった

抱きしめられたかった

そんなことを

思い出す夜

自分を

我が手で抱きしめながら

そんなことを

思い出す夜




底冷えする夜の闇

2017-01-23 19:42:55 | 
雪が冷たく降る夜

足元からぞわりと
立ち上る冷気

闇が
底光りする

絶望が
せり上がる

そんな夜

冷え冷えとした空気は
青白い

冴え冴えとした夜空は
赤黒い

音は

凍ってしまったのだろうか

無音の世界

凝まった
縮こまった

よじれた夜